96 北山side ページ1
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「⋯で?どういう事がきちんと聞かせて。」
内田部長に麗華さんを抱きしめてる所を見られて
仕事が終わってから内田部長と麗華さんと三人で個室の居酒屋に。
正直、見られた相手が麗華さんの同期の内田部長でまだ良かった。
もっと、上層部の人なら今頃社内は大騒ぎなはずだ。
冷静さを失ってバカな事した。
今頃になって自分の行動を悔やんだけど
もうどうしようもない。
こうなったら麗華さんを守るしかない。
「⋯僕が一方的に桐谷部長の事好きで、思わずあんな事してしまったんです。」
「⋯そうなの?桐谷?」
「.........。」
「なぁ?部下の事庇う気持ちはわかるけどこんな所見てしまった以上、オレは黙認は出来ないよ。わかるだろ?おまえは小沢専務の嫁だろ?」
俯いてる麗華さんをたしなめるように言う内田部長の言葉も麗華さんには届いてないみたいだ。
「すみません、わかっててあんな事して。気持ち止められなくて。でも桐谷部長にはずっと迷惑だって言われてたのに、追いかけ回してたのは僕なんです。」
「⋯小沢専務の嫁さんに手出すとかいい度胸してるよ、おまえは。」
すみませんってまた頭を下げた。
半分はほんとの事だし
いや、もうほとんどが本当の事に思えてくる。
オレが一方的に好きだっただけ。
追いかけ回してたただけ。
迷惑をかけてたのはオレ。
・・・何一つ、間違ってないわ。
でもバレちまった以上
本気でもう二人では会えないのかと思うと
そっちの方がショックで漆黒の谷底に葬られた気分だ。
「⋯桐谷?なんか言えって。」
「⋯北山くんの言う通りだよ。」
聞こえるか聞こえないかくらいの力ない声でそう言った麗華さんの顔を見ると
今にも消えそうな儚げな表情をしてて⋯
そっか。麗華さんはそれなりにちゃんとオレと向き合ってくれてたんだってその顔を見てさっきの考えを思い直した。別れるつもりでも、やっぱり迷ってたんだろ?
そしてなにやってんだよ?嘘つくならもっとちゃんとしろって心で悪態を付いた。
でもそんな顔をさせてる事がオレの女だったっていう証明でもあって、それが谷底に落ちてるオレを這い上がろうとさせてくれる。
オレの女だった・・・もう、過去なのか⋯?
それでも
麗華さんが疲弊しきってるのはオレのせいだって
思えば思うほど気持ちは満たされて⋯
・・・そんな事考えてしまうオレ、終わってんな。
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Haru(プロフ) - ぴのさん» わざわざこちらにも!ありがとうございます!ほんと、ぴのさんのコメがずっと引っかかっててお陰様で物語のエンドが見えてきました(^^)ガヤさんの気持ちなんて考えもしてなかったので(笑)こちらこそ、ありがとうございます! (2018年11月20日 10時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - ありがとうございますm(__)m 私の妄想で…ガヤさん、嫉妬させていただき…なんだか、私も作品に参加できた気持ちで、嬉しいです。毎日 更新が楽しみです。 (2018年11月19日 19時) (レス) id: 084bdea948 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - ぴのさん» ガヤさん、来ましたよぉー!(笑)ガヤさん、今後四角関係参入できるか!?まだわからないですがそちらもハラハラしながら続き見ていただければと思います♪ぴのさんを思い浮かべながらガヤさん嫉妬させてみました(笑) (2018年11月16日 17時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - きたきた〜ガヤさんの、ほどよい嫉妬(>_<) タカシの存在の大きさも、ハラハラです!でも…やっぱり北山君なんですよね。弱気な北山くんに、どう向き合うのか楽しみです。 (2018年11月15日 16時) (レス) id: 084bdea948 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - kanonさん» 断腸の思いですよ、タカシぃ(TT)タカシが報われるようにしたいんですがまだノープランです(いまだに笑)続きすみません^^;今アップしましたのでまた読んで下さいね♪いつもお忙しい中コメントありがとうございます(^^) (2018年11月15日 14時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2018年10月1日 13時