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ううっ⋯気持ち悪っ。
グラスボードで下ばっか覗いてたら気分悪い。
皆から離れて一人椅子に座り青空を眺めながら大きく息を吐いた。
「⋯Aも？」
もう無理って言いながら私の隣りに座ってきて同じように天を仰ぐ藤ヶ谷。
「こんな揺られてる船でなんで皆普通に下向いてられるのか不思議よね。」
「ほんとそう。魚は海の中で見るのが一番だよな。」
⋯きっと私達が考えてる事は同じ。
「Aと二人でシュノーケリングしたの、楽しかったな。」
「うん。あれは最高だった。」
付き合い出して初めての連休で私と藤ヶ谷はここ沖縄に旅行へ来たんだ。
二人で手を繋いで海の中を泳ぎながら熱帯魚を見た素敵な体験は忘れる事が出来ない。
「オレさ？今の彼女の事すげー好きだしすげー大事なの。でも、ここへ来てAを好きだった気持ちめっちゃ思い出しちゃった。」
「⋯太輔、」
「若かったからさ。想いも熱かったよな。何やったって新鮮で楽しくてさ。」
「うん。そうかも⋯」
社会人になって初めての彼氏。
お互いそこそこ稼げるようになって遊び方も大人の遊び方になって。
でもまだまだ気持ちは恋愛に対してウブだったな。
「⋯大人になるってなんだか悲しいね。」
傷付く事が極端に怖くて
振られたって平気ですよって顔しなくちゃならないし
好きな人がどんなに理不尽だと思う事をしてても
大人だから理解しなきゃ、なんて物分りのいい振りをする。
辛い恋愛を経験してればしてる程
それが当たり前みたいになって
自分の中で勝手に消化しちゃって。
それでも消化し切れてない小さなわだかまりが
小さな腫瘍みたいに心の中にどんどん溜まってって
息苦しくて心から笑えない。
ふと視線を感じて藤ヶ谷の方を見ると
真顔で少し表情が怖い。
「悲しくなんかねえよ。大人になればまたその楽しみ方もあんじゃない？」
「⋯そうだよね。でもなんだか今は楽しめる心の余裕がないよ。」
後ろ向きな事ばっか言う私にため息をつく藤ヶ谷。
やっぱり藤ヶ谷には思ってる事何でも言って甘えてしまう。のに、
「昨日、二階堂に慰めて貰った？」
途端面白そうに横目でニヤって笑ってくる藤ヶ谷がなんだか憎らしかった。
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Haru(プロフ) - にかみつばさん» 初めまして(^^)そんな風に言って頂けるとはっ。ありがとうございます！ニカ担さんですかね？これからニカちゃん出番たっぷりありますので楽しんで頂ければ嬉しいです♪ (2020年5月31日 20時) (
レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - 初めまして。ストーリーに引き込まれるようにここまで一気に読ませて貰いました。本当に小説を読んでいるような気持ちになりました。 (2020年5月31日 1時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - パンダさん» な、なぬ？！（笑）鼻血ですか？だ、大丈夫ですかっ？恋愛マゾ。私もそうかもです（笑）これからこの溺れてるみっくんをどう陸地に上げるか今超悩み中で^^;しばらく溺れさせときますので今度はティッシュ必須で見てやってください（笑） (2018年9月5日 17時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
パンダ(プロフ) - Haruさん、ご報告です！無茶苦茶になってる北山くんに興奮したのか鼻血出ました(笑)恋愛マゾ気味の私は、イトちゃんの恋より北山くんの苦しさに共感してしまいます。女なのに…。深く溺れるみっくんたまらないですー (2018年9月5日 16時) (レス) id: a68f49692e (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - ノリコさん» イトちゃんの苦しさが堪んないですよね。北山くんも辛いです。イトちゃんも今は苦しいですがそのうち光が見えてきますので懲りずに読んで頂けたらと思います。終わりの方は苦しさだけじゃなく楽しい展開に出来るようにしたいと思ってます♪ありがとうございます！ (2018年9月3日 0時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Haru
| 作成日時：2018年8月15日 20時
