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「あ、そろそろオレ帰るわ。」
時計見ながら財布からお金出してる藤ヶ谷。
「お、彼女?」
「うん。明日休みだし、今日は泊まりに来るって言うから。」
そっか。
藤ヶ谷も彼女くらいいるよね?
なんだか藤ヶ谷が今幸せな事にホッとする。
席を立って私の耳元に寄ってきた。
「⋯今日で落としちゃえよ。」
こそっと呟いて
ニヤって悪い顔してじゃな、って帰ってった。
その私達をニヤニヤ意地悪く見てる北山⋯
「しっかしおまえも相当なメンクイだな。」
「⋯藤ヶ谷が好きだ好きだうるさいから付き合ってあげたんですー」
あはは!って大きく笑ってる。
あ⋯その顔は昔のまんまだ。
笑うと可愛くて少年みたいなとこ。
「⋯藤ヶ谷の彼女、知ってるの?」
「あぁ、本社勤務の後輩だったんだけど退社して今は別で働いてるよ。」
「そっか⋯」
「気になんだ?元彼の今カノ。」
面白そうに言ってるよ。
北山が楽しいなら構わないけどっ。
「⋯藤ヶ谷が幸せならいいなって思っただけだよ。」
真面目か!って突っ込まれたけど本心なんだもん。
「⋯北山は?彼女、⋯いる?」
今まで色々アピールはしてきたけど
聞く機会なかった。
藤ヶ谷に聞いたけど本人から聞けば?とか言われたし。
「⋯いるよ。」
「いるのかあーーーっ、」
わかりやすくテーブルに突っ伏してしまった。
そうだよね?いない方がおかしい。
わかってはいたけどショックすぎる。
うぅ、って起き上がった私に
「だからわりぃけどオレは諦めんだな。」
なんて、目細めて得意気に言ってる。
⋯私の気持ち、あんまり本気で受け止めてない感じね。
そりゃ今までは社内で寄り付いてただけだもん。
伝わってないのは当然か。
「北山?私本気で北山が好きなの。だから彼女がいるからって好きな気持ち変わんない。」
気を取り直して北山の目をちゃんと見て言う。
⋯これで私の気持ち、真剣だって伝わる?
顎ひじついて聞いてた北山が途端背筋伸ばしてる。
「⋯それってマジなやつ?」
「マジなやつだよ。」
私の言葉に急に困ったような顔をしだして
その表情から私は全くダメなんだって思い知らされて泣きそうになる。
でもね?
困らせたかった訳じゃないんだ。
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Haru(プロフ) - にかみつばさん» 初めまして(^^)そんな風に言って頂けるとはっ。ありがとうございます!ニカ担さんですかね?これからニカちゃん出番たっぷりありますので楽しんで頂ければ嬉しいです♪ (2020年5月31日 20時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - 初めまして。ストーリーに引き込まれるようにここまで一気に読ませて貰いました。本当に小説を読んでいるような気持ちになりました。 (2020年5月31日 1時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - パンダさん» な、なぬ?!(笑)鼻血ですか?だ、大丈夫ですかっ?恋愛マゾ。私もそうかもです(笑)これからこの溺れてるみっくんをどう陸地に上げるか今超悩み中で^^;しばらく溺れさせときますので今度はティッシュ必須で見てやってください(笑) (2018年9月5日 17時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
パンダ(プロフ) - Haruさん、ご報告です!無茶苦茶になってる北山くんに興奮したのか鼻血出ました(笑)恋愛マゾ気味の私は、イトちゃんの恋より北山くんの苦しさに共感してしまいます。女なのに…。深く溺れるみっくんたまらないですー (2018年9月5日 16時) (レス) id: a68f49692e (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - ノリコさん» イトちゃんの苦しさが堪んないですよね。北山くんも辛いです。イトちゃんも今は苦しいですがそのうち光が見えてきますので懲りずに読んで頂けたらと思います。終わりの方は苦しさだけじゃなく楽しい展開に出来るようにしたいと思ってます♪ありがとうございます! (2018年9月3日 0時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2018年8月15日 20時