君のその手に

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「「「カンパーイ！」」」



わあ。こうしてるとほんとに昔に戻ったみたい。


目の前に北山と、たい⋯藤ヶ谷。


まるで新人研修の時だわ。






「⋯にしても北山はなんでこんなに男らしくなっちゃったのよ？」






思ってる事がつい言葉に出ちゃう悪い癖。






「オレは？オレだって男らしくなってんだろ？」


「藤ヶ谷はそんなに変わんないよ。ちょっと柔らかくなって優しそうにみえるようになったくらいで」




はいー？オレだって磨きかかってるわっ、だって。
こんなやり取りも久しぶり。





「まぁな、北山は色々あるから大人にならざるを得なかったんじゃない？」



含みを持たせた言い方。
⋯なに？



「藤ヶ谷、余計な事言うなよ」


「どゆ意味？」




藤ヶ谷を睨む北山が本気で牽制してるのが気になる。




「色々考える事が多いから。北山は。」


「⋯ま、そういう事だよ。」





⋯ぜんっぜんわかんないけど
これ以上聞いちゃいけない雰囲気なのは
さすがの私でもわかった。



「でも今はAは北山にロックオンなんだろ？応えてやれば？」



「「・・・。」」



なんでそういう事言うかな。
藤ヶ谷に言われなくても自分でどうにかするって。



「ってかっ、え？なんで藤ヶ谷イトの事名前で呼んでんの？！」



⋯あ、、しまった。藤ヶ谷ぁーー







「あー、オレら付き合ってたから。」


「え？！？！」
「えーーー？言っちゃう？それ。」




ほんと、この藤ヶ谷の天然には参るわ。
言わなくていい事ってあるじゃんっ。



「マジか？イト？！」



本気で驚いてる北山に随分前だよってサラッと流したつもりなんだけど






「いつだよ？！」


「研修終わってすぐくらいかな？」


「そうなの？どれくらい付き合ってたんだよ？！」




言えよー、そういう事はって
根掘り葉掘り聞いてきてるのを
藤ヶ谷が事細かに丁寧に説明しててうんざりする。







「なんで別れたんだ？！」







⋯そこ聞く？







途端藤ヶ谷と目が合ったけどすぐに逸らした。




藤ヶ谷には悪い事したから。




あの時の自分の向こう見ずな行動と
藤ヶ谷を裏切った事




未だに罪悪感が消えないんだ。








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