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「北山って彼女いるんだよね?」
「本人がそう言うならいるんじゃない?」
藤ヶ谷に案内されて会社近くのイタリアンにランチに来た。
転勤してから会社付近のランチは色々と探索してたけどここは初めて。
ビジネス街にある飲食店にしては
半個室のように仕切りがあって
込み入った話もできそうな所。
さすが藤ヶ谷は何に対しても抜かりがない。
「藤ヶ谷は北山の彼女よく知ってるんじゃないの?」
運ばれてきたお水を一口飲んで本題を切り出す私の切羽詰まった言い方に
「⋯何があったの?」って真顔で尋ねられる。
「⋯彼女じゃない人とラブホ街入ってった。」
とっっても仲良さそうにっ。
思い出しただけでまた複雑な気持ちになる。
「彼女じゃないってなんでわかった?」
「⋯一緒にいた子がその子の彼氏と会った事あるって。しかもその子その人と結婚するって⋯」
なんだかもう一度反芻してみると
泣きそうになってくる。
どうして?
北山の事全然わかんないっ。
「北山に気持ち伝えたんだろ?」
「思わずポロっとね⋯。即刻振られたよ。」
ふーん、って感情の読めない顔して頷いてる藤ヶ谷にもどかしくなる。
「ね?何か知ってるなら教え「オレはおまえら応援したいんだよね。」
⋯え?
「Aと北山、お似合いだと思う。」
平然とそう言う藤ヶ谷だけど⋯
「待ってよ。北山、彼女いるんでしょ?」
「おまえ、そういうの気にするタイプだっけ?」
嫌味とも取れる藤ヶ谷の言葉に
瞬間ドキっとして口籠もってしまう。
「ははっ。ごめん。性格悪いな、オレ。」
途端雰囲気をガラリと変えて可笑しそうに笑ってるけど⋯
「ごめん。全然笑えない。」
だって藤ヶ谷から見た私はそんな女だ。
間違いないもん。
「⋯気にすんな、昔の話しだろ?」
明るく私の顔を覗き込むようにして
励ますように言ってくれる藤ヶ谷に胸が傷んだ。
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Haru(プロフ) - にかみつばさん» 初めまして(^^)そんな風に言って頂けるとはっ。ありがとうございます!ニカ担さんですかね?これからニカちゃん出番たっぷりありますので楽しんで頂ければ嬉しいです♪ (2020年5月31日 20時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - 初めまして。ストーリーに引き込まれるようにここまで一気に読ませて貰いました。本当に小説を読んでいるような気持ちになりました。 (2020年5月31日 1時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - パンダさん» な、なぬ?!(笑)鼻血ですか?だ、大丈夫ですかっ?恋愛マゾ。私もそうかもです(笑)これからこの溺れてるみっくんをどう陸地に上げるか今超悩み中で^^;しばらく溺れさせときますので今度はティッシュ必須で見てやってください(笑) (2018年9月5日 17時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
パンダ(プロフ) - Haruさん、ご報告です!無茶苦茶になってる北山くんに興奮したのか鼻血出ました(笑)恋愛マゾ気味の私は、イトちゃんの恋より北山くんの苦しさに共感してしまいます。女なのに…。深く溺れるみっくんたまらないですー (2018年9月5日 16時) (レス) id: a68f49692e (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - ノリコさん» イトちゃんの苦しさが堪んないですよね。北山くんも辛いです。イトちゃんも今は苦しいですがそのうち光が見えてきますので懲りずに読んで頂けたらと思います。終わりの方は苦しさだけじゃなく楽しい展開に出来るようにしたいと思ってます♪ありがとうございます! (2018年9月3日 0時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haru | 作成日時:2018年8月15日 20時