北山さんに恋する彼女達 ☆after story☆ 【完結】

※ ページ10

「結局オレの方がAを想う気持ち勝っちゃったんだよ。」


Aを常に寂しくさせてた彼氏なんて
さっさと捨てられりゃいいんだ。





「オレは絶対大事にする。」


オレの言葉に戸惑ってるAの肩を抱き寄せるとオレの腕ギュッって掴んで来た。


「･･･ありがと。そんな風に言って貰えて嬉しいよ。でもね？」


胸もと押されて顔のぞき込まれる。


「早速ワガママって言うか、弱音っていうか･･･。甘えちゃってもいい？」


って言ってるAの顔がすでに甘えてて可愛すぎる。
こいつこんなキャラだっけ？ってドキドキするし。


「･･･なに？」


やば。顔ニヤついてねえかな。


「嫌がる彼氏とどうやって別れたらいいかもうわかんないの。どうしたら納得してくれるのかな？」


そっちの話しかよ。
全然可愛くない弱音だわ。



うーん。。。



「オレ、会って話し付けよか？」


手っ取り早くね？

最後にどんな奴だったかってくらいは見ときたいし。


「そんなのダメだよ。私好きな人がいるから別れたいなんて言ってないのに。びっくりさせちゃう。」


は？


「おまえ、オレの存在無しで別れ話してんの？そりゃ納得しねーわ。」


「だって、他に好きな人出来たなんて言われたら絶対傷付く･･･。」


大人の女だと思ってたAはこと男の事になると完璧な初心者･･･いやお人好し･･･？


別れ話くらいサクッとするもんだと思ってたのにそりゃ長引くはずだわ。ってか


「･･･おまえ、まさか最近でも彼氏とキスとかしちゃってる訳？」


それ以上ってのは聞く勇気無かった。


「･･･別れ話してるのにそんな空気になんないよ。」


そっか？
そっかなあ？
なんかモヤモヤすっぞ？


「とにかくな？もう別れたいって思ってる相手に変に情入れると余計拗れんぞ？バッサリ言った方が言われた方も諦めがつくって。」


正論だろ？でもAの顔どんどん曇ってってる。


「･･･北山くんて冷たいんだね。」


は？


「そんな人だと思わなかった。」


「いや、ちょっと待て。オレが冷たいって言うなら冷たく無い方法でどうやって別れるんだよ？誰も傷付かずに別れる事なんて出来ないだろ？」


やべ。あまりに幼稚な事言うAにイラついてる。


大人の女だと思ってたAは
オレの前ではもう既にどこにもいなかった。

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