北山さんに恋する彼女達

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北山くんのキスは
情熱的で、でも優しくて
泣きたくなる。


ずっとしてたいって思わせられるようなキスなのに


1度だけ拒んでしまってからはあまり長くはしてくれなくなってた。


だから今こうして求められるともう想いが溢れて
どうしようもなくまた次から次へと涙が出てくる。



「っんん、んっ。」


私があまりにも苦しそうにしてたからか唇を離される。
酸素を求めて泣きじゃくりながら、はぁはぁと息を吸う私にまたごめんって謝る北山くん。


私からキスしたのに
ほんとに申し訳なさそうに言われるから堪らなくなって北山くんの胸元に頭を預けた。







「･･･好きなのっ。」



･･･やっと言えた。



･･････。



なんで何にも言ってくれないの？


不安になって顔を上げると
驚いた顔した北山くんと目が合った。



「･･･嘘だろ？」


「嘘じゃないよ･･･」


「マジ？」


「マジっ。」


ヒックヒック言いながら辛うじて返事する。



なんだよーって言いながらまた抱きしめられた。


「マジでもう嫌われたかと思ったぁー。」


はあーって大きく息を吐いて
脱力しながら体重を預けてきてそのまま押し倒された。


「･･･おまえ、そういう事は早く言えよっ。」


デコピンしてきて何気に本気で痛くて涙止まるわ。


おでこ擦りながら


「言える訳ないよ。ただ、したいだけなんだと思ってたんだから。それに･･･。」


彼氏がいるのに、どの口で好きだなんて言えるのよ･･･。


私が言いたい事分かったみたいでゆっくり体起こされた。



「A、ずっと好きだった。オレと付き合って欲しい。オレだけを見て？」


出来るか？ってまだ不安そうに私の顔を除き込む北山くんに言わなきゃ。



「ほんとはね？･･･ほんとは、今、彼氏と別れ話ししてるんだ。」


北山くんが好きだって気付いてからはもう彼とはいられなくなってたから。


でもまだ納得して貰えてない。



「･･･それはオレの為に･･･？」


また驚いてる。


「そんなんじゃないの。北山くんが好きだから今の人と一緒にいられなくなっちゃったから。」



「なんだよ。オレの為じゃん。別れ話、いつからしてんの？」


「･･･１課の飲み会があった時くらいだよ。」


途端睨まれる。怖いんだけど。


「あれ！オレとリンをタクシーに乗せた時？なんで彼氏と別れる気なのにリンとくっ付けようとしてた訳？！」


だから北山くんが私の事好きだなんて思わなかったんだって。

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