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「そんな威嚇しちゃダメですよ、田中さん。ほら、エリートの方々がびっくりしちゃってかわいそうじゃないですか」
ニヤニヤと性格の悪そうな笑みを浮かべながら田中さんの隣へ歩む月島
青城の生徒が言い返すより早く、うちは月島の頭を叩いた
「いった・・・ちょっと、何すんの」
「他校の生徒に喧嘩を売るな。勿論、同じ学校の生徒もだけど。無駄に敵を作るなよ」
そう言いながら、月島の背中を押す
「あんたは先行ってな。田中さんも、その顔やめてください。ちょっと、山口手伝って」
「えっ、うん」
山口に月島を任せ、田中さんとともに先に行かせた
「すみません、うちの・・・影山?」
話しかけて、止めた
影山が、相手校の生徒と話してるらしい
あまり雰囲気は良くなさそうだ
何を言われたのかわからないが、影山は短く返事をして先輩方の後を追った
「何だあいつ・・・」
少し心配にはなったが、まぁ、大丈夫だろう
それより、月島と田中さんの発言の謝罪が先だ
「すみません、うちの生徒が失礼なことを」
「え、あ、あぁ、こちらこそ・・・すいません」
相手はバツが悪そうに言った
「・・・じゃあ、失礼します」
そういえば、と足を止め、振り向かずに言った
「あなた方がどう思っているのかはわかりませんけど・・・"うちの"影山は、もう孤高の王様ではありませんから」
そう言い残し、私はその場を後にした
「あっ、桧山きた!どこ行ってたんだよー」
日向が私に言う
「ちょっと、不祥事の後始末をね」
「不祥事?あ、まさかお前ら・・・」
ハッとした澤村さんの視線の先には、田中さんと、日向と影山
「あ、違います。田中さんの共犯はこいつです」
言いながら、月島の頭を軽く叩く
「お前ら・・・」
澤村さんは額を押さえた
「ほら、先輩に迷惑かけんなよ」
体育館へ着き、靴を履き替えながら月島に言った
キュッと、シューズの音
床に叩きつけられるボールの音
トスを呼ぶスパイカーの声
閉じた扉の向こう側が、容易に想像できる
小さく息を吐き、重い扉を開く
暗い廊下にオレンジ色の光が差し、目の前が明るく照らされた
開けた視界に、いっぱいの人とボール
流石、強豪
横一列に並び、荷物を足元へおく
「挨拶!」
「「「お願いします!!」
響いていたボールの音が止み、相手も同じように返した
「「「お願いします!!」」」
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碧(プロフ) - 睡蓮。さん» コメントありがとうございます!そしてご指摘頂いた誤字は訂正しました。ありがとうございます! (2021年6月16日 16時) (レス) id: 41f6dfb226 (このIDを非表示/違反報告)
睡蓮。(プロフ) - めっちゃおもろいです!続き気になります!失礼ですが、#21の月島のセリフで、身長が慎重になっていると思われます!間違っていたらすみません!! (2021年6月16日 12時) (レス) id: ccbe99882f (このIDを非表示/違反報告)
なっつ - とってもおもしろいです!!更新楽しみにしてます、、!!! (2020年6月3日 21時) (レス) id: a6681d3b33 (このIDを非表示/違反報告)
オオムラサキ - 夢主ちゃんのことがすごい気になります!!更新楽しみにしています。 (2017年2月22日 8時) (レス) id: 9910ac75da (このIDを非表示/違反報告)
ましまろ - この作品マジで面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2016年12月30日 19時) (レス) id: 0a11ec4996 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碧 | 作成日時:2014年11月9日 2時