いらっしゃい。【日替わり×HQ】

8種類の結果パターン

いらっしゃいませ。 - 2024年5月9日

昼神幸郎×ペットショップ





「いらっしゃいませ〜」

ウィーン、と音を立てて開く自動ドア。
ふと立ち寄ったペットショップ。

そこで猫と戯れていた店主さんは、のほほんとした笑みを浮かべてこちらを見た。

「どうぞ、自由に見てって」

「ぁ･･････はい」

笑みを顔に貼り付けたまま私を招き入れる店主さん。

「こんなところにペットショップあったんですね･･････。結構ここ来たことあったんですけど、気づかなかったです」

「裏路地だし看板小さいからね〜」

そうは言っているけど、たくさんの種類の動物たちがいて、店主さんを信頼していることがわかる。

「何か飼いたいペットがいたり？」

「あ、はい。猫を･･･」

「じゃあこっちね」

ダックスフンドを抱っこしながら猫のコーナーに案内してくれる店主さん。

「この子とか人気の種類なんだけど」

「ああ、友だちでも飼ってる子います」

あ、やっぱり？と、店主さんは猫をケージから出してくれる。

「抱っこしてみる？惚れるよ」

少しおどけた彼は、丁寧に私に猫を手渡してくれた。

「あっ、ふわふわ･･･！可愛い･･･」

「でしょ」

私の反応を見て少し頬を綻ばせる店主さんは、木製の椅子に座って言った。

「ゆっくり見て、しっかり決めてね。動物たちにとっても、ずっと愛してくれる最高の飼い主さんを見つけたいから」

あくまでにこやかに言うんだけど、その言葉だけで動物へのこの人の愛情が伝わってくるようだった。

「はい。でもこの子、ほんとに可愛い･･･。家に帰って、もう一回検討してみます！」



「うん、そうして。･････････可愛い」




「えっ」

ぼそっと呟いた店主さんの言葉に思わずぎょっとすると、



「猫がね」



悪戯っ子のような表情で私を見た。

私は一気に脱力した。


「ちょっ･･････！はぁぁ、もう･･･！」


「アハハ、びっくりした？」


にこっと笑った店主さんを見たら、全部許してしまう。


でも、気づいてないのかもしれないけど。




店主さん、顔、すこーしだけ赤くなってるよ。

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