折れた翼【ハイキュー!!】

＃２４ ページ24

「すっげぇ、すっげー！！なぁ何？今の何！？当たったんだけど！手に！今！俺の！！なぁ！！」


影山の超絶技巧に、日向が興奮しながら言った


「おい、お前！目瞑ってたってなんだ！！」


「お前がボール見るなって言ったんだろ！？目開けてると、どうしてもボールに目がいくから・・・」


「確かに言ったけど・・・！」


影山が信じられない、という表情で日向に言う


「でも今の成功だろ？何が悪い！」


「それはそうだけど、100％信じるなんてできるか普通！！」


「だって今、信じる以外の方法わかんねぇもん！」


“信じる”


チームプレーを要するこの競技では、とても大切なもの


この言葉を、影山はどう思ったかな


日向から、視線を影山へ移す


影山は、どこか自信を持った目をしていた


「・・・いいね、その顔」


思わず呟いた


それから、日向と影山は速攻を試み続けた


トスを顔面に受けながら、日向は飛び続けた


そして再び、日向の打ったボールはブロックを打ち抜いた


そのとき、日向は確かに見ただろう


頂の景色を


１セット目、田中さんがフリーで点を入れ、日向・影山のチームの先取となった


休憩を終えた日向、影山、田中さんが立ち上がる


２セット目は、ほぼ互角と言える戦いだった


影山がブロックすれば、日向は顔面レシーブをする


月島は半袖になり、本気を出してきたようだし


試合展開としては、面白くなってきた


気付けば、日向・影山チームのマッチポイント


日向はずっと走り回っている


あんだけ動いたら疲れるだろ


今日は吐くなよ


そう思いながら、試合を見ていた


確信していた


日向と影山の勝利を


ひとつため息を零し、諦めた


試合は、日向のチームの勝利で終わり、昨日と同様、私は日向に水を投げる


「今日は吐くなよ」


「はっ、吐かねぇし！」


死んだカエルのように動かなかった日向が、体を起こしてそう言った


「だ、大地さんもスガさんも、あいつらにあんな攻撃使えるって見抜いて、あんなこと言ったんすか！まじパネェっす！」


田中さんが何か言い出したと思い、目を向ければ、こっちが驚くような内容だった


「さすがにそれはないだろ・・・」

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