＃１６ ページ16
少しずつ後ろに下がっていくと、壁に背中が当たった
何これこんな壁ドン期待してない
「そんなに逃げなくてもいいんだぞ？」
澤村さんの笑顔がこわい
「うわ、人口密度高っ」
「ついにマネージャーやる気になったかー」
「マジっすか！！」
「なってません」
そんなバレー部員たちの間をすり抜け、広いところへ出る
「はぁ、暑かった」
一息ついて、3人に問う
「日向どこにいるか知りませんか？あいつサポーター忘れてったんですよ」
ぷらぷらと見せると、上から手が伸びてきた
サポーターが取られる
振り返ると、なんかでかいのがいた
「・・・ちょっと」
金髪の男は、馬鹿にしたような笑みでサポーターを持っている
「それ、日向のなんだけど。返してくんない？」
「ふぅん・・・ｉｃｓか」
メーカーを見ていたのか、そうぼそりと呟いた声は低かった
「おい、返せ」
「これ、君の？」
「話聞いてた？届けんの、それ」
「ふぅん」
だめだ、話通じない
「ねぇ金髪君。そろそろそれ返してくれないかなー？早く帰りたいんだよね、私」
金髪のそいつはにやりと笑うと、手を高く上げた
「取ってみてよ」
「うざ」
「こら月島、桧山困ってるだろー」
澤村さんがそう言うが、その男はにやにやと意地の悪い笑みを浮かべ、見下ろしてくる
眼鏡割ってやろうかこの野郎
しかもけっこうでかいなこいつ
180・・・いや、190くらいか？
日向とは頭１つ分くらいかな
そんなことを考えていると、菅原さんが日向の場所を教えてくれた
「日向なら、グラウンドの側で影山と練習してたぞ」
「あ、どーも。おい、早く返せ」
「外で練習とか、バカなの」
金髪長身男はけらけらと笑う
「いいですか帰って。サポーターはこの金髪君に届けてもらうんで」
「ヤダ」
「マジこいつ何なの」
おっと、声に出してしまった
早く帰りたいんだけど
「ねぇ、お前何したいの」
「別に」
「ちょっと澤村さん何とかしてくださいよ。バレー部でしょ、こいつ」
「ほら、月島」
くそ、にこにこ笑いやがって
背伸びしても届かないだろう
はぁ、とため息を１つ零す
鞄を床に置き、少し離れる
うん、これならいけそうだ
キュッと靴を鳴らし、軽く助走をつけて、跳ぶ
体がふわっと浮くのを感じた
サポーターを奪い取ってストンと着地し、床に置いたカバンを拾い上げる
「じゃ、私はこれ届けて帰るんで。ありがとうございました」
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碧(プロフ) - 睡蓮。さん» コメントありがとうございます！そしてご指摘頂いた誤字は訂正しました。ありがとうございます！ (2021年6月16日 16時) (
レス) id: 41f6dfb226 (このIDを非表示/違反報告)
睡蓮。(プロフ) - めっちゃおもろいです!続き気になります!失礼ですが、#21の月島のセリフで、身長が慎重になっていると思われます!間違っていたらすみません!! (2021年6月16日 12時) (レス) id: ccbe99882f (このIDを非表示/違反報告)
なっつ - とってもおもしろいです！！更新楽しみにしてます、、！！！ (2020年6月3日 21時) (レス) id: a6681d3b33 (このIDを非表示/違反報告)
オオムラサキ - 夢主ちゃんのことがすごい気になります！！更新楽しみにしています。 (2017年2月22日 8時) (レス) id: 9910ac75da (このIDを非表示/違反報告)
ましまろ - この作品マジで面白いです！更新頑張ってください！応援してます！ (2016年12月30日 19時) (レス) id: 0a11ec4996 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧 | 作成日時：2014年11月9日 2時
