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#14 ページ14

「ありがとー!」


日向はそう言うと、再びパンを食べ始めた


それから数分


「ごちそうさま」


私と日向の両方が食べ終えると、日向はくっつけていた机を元に戻した


「よし!桧山、行くぞ!」


「は?」


日向は私の腕を掴み、教室の戸を開けた


「ちょっ」


「「いってらっしゃーい」」


一緒に昼食を食べるはずだった友達2人は揃って手を振った


抵抗もむなしく、私は日向に腕を引っ張られていった


あれ、デジャヴ?





「あぁー・・・」


「日向、もっと腰を落として、飛んできた方向そのまま戻す感じでやってみな?」


ボールを変な方向に弾いた日向に、練習に付き合っている菅原さんが言った


私は近くの壁に寄りかかって見ている


「あ、はい!」


「いくぞ?」


先輩が打つと、今度は上手く返せた


「おぉー、良い感じ!」


日向がそう呟いた


「なぁ日向」


ボールを返しながら菅原さんが日向に話す


「明日の朝から、俺がトスあげたろっか?」


「ホントに!?ですか!?」


「俺、これでも烏野の正セッターだぞ?スパイクの練習したいんだろ?」


「はい!俺スパイク大好きで、決まると気持ちいいし、何よりかっこいいし!」


「ずいぶんスパイクに思い入れがあるんだな」


菅原さんがニコニコと笑いながら言う


「はい。中学のときはセッターどころか3年になるまで俺しか部員いなくて、いつもバスケ部の友達に上げてもらってました」


ボールを手に持ったまま日向が話す


「ねぇ日向ー、私戻っててもいい?」


「部活引退した後も、1年生とかママさんとか、女子のセッターとか、いろんな人に上げてもらってたけど、どんなに仲が良くて友達でも、本当のチームメイトになれるわけじゃなかったから・・・」


おいシカトですかコラ


てか、受験勉強してろよ


「だから、高校行ったらどんなセッターいんのかなって、期待して、来たん、ですけど」


少しずつ言葉が途切れ、目に見えて落ち込む日向


「だから、俺もセッターだってば。上げてやるって!」


苦笑いで励ますように言う菅原さん


一瞬日向の顔が明るくなり、すぐに納得行かないような何ともいえない顔になった


「いや、でも・・・ここで菅原さんに上げてもらったら、何か、ま、負けた気がするっていうか・・・」


菅原さんは困ったようにため息をついた

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(プロフ) - 睡蓮。さん» コメントありがとうございます!そしてご指摘頂いた誤字は訂正しました。ありがとうございます! (2021年6月16日 16時) (レス) id: 41f6dfb226 (このIDを非表示/違反報告)
睡蓮。(プロフ) - めっちゃおもろいです!続き気になります!失礼ですが、#21の月島のセリフで、身長が慎重になっていると思われます!間違っていたらすみません!! (2021年6月16日 12時) (レス) id: ccbe99882f (このIDを非表示/違反報告)
なっつ - とってもおもしろいです!!更新楽しみにしてます、、!!! (2020年6月3日 21時) (レス) id: a6681d3b33 (このIDを非表示/違反報告)
オオムラサキ - 夢主ちゃんのことがすごい気になります!!更新楽しみにしています。 (2017年2月22日 8時) (レス) id: 9910ac75da (このIDを非表示/違反報告)
ましまろ - この作品マジで面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2016年12月30日 19時) (レス) id: 0a11ec4996 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2014年11月9日 2時

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