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後半戦が始まり、戦国伊賀島中の猛攻撃が続いた。DFが必死に食らいつき、何とか円堂を守っている。その中でも、風丸が群を抜いて力強いディフェンスを発揮していた。
「この俺が、絶対にゴールは許さない！」
技術力ではない、彼の強い意志が相手の動きを牽制している。
それから、責められ守っての膠着した時間が続いた。現状は雷門が圧されており、苦しい状況に追い込まれている。
戦国伊賀島中の監督、伊賀島仙一が穏やかに笑った。
途端、初鳥が素早く雷門ゴール目掛けて前線に上がる。
『……！』
まただ、また初鳥が動いた。鶴翼の陣の際にも、彼が合図を出していた。
鶴翼の陣とはまた別の、未だに見せていない戦術……陣形があるのだろう。
果たして、次は──。
「伊賀島流蹴球戦術、偃月の陣！」
『八陣が本当に好きだなッ……！』
鶴翼の陣とよく似た陣形が作られるが、両翼の広がりはやや小さい。隙間を取らず、固まって進む。
偃月の陣というのは、形だけ見ればまるで鶴翼の陣であるが、役割としては大きく違う。魚鱗の陣のように、守りながら攻める訳でもない。これは、ただ攻める為だけの陣形だ。力技で無理やり前に突き進み、道をこじ開ける。
偃月の陣なる陣形で進む戦国伊賀島中の周りには、次第に砂塵を巻き上がっていった。やがて勢いを増し、並走して近づこうものなら簡単に吹き飛ばされてしまう。
『風丸ッ！』
「分かってる！！」
中央で大神が叫んだ。
誰も止めることは出来ず、陣形は既にディフェンスラインの目の前まで来ている。
風丸が顔を顰めながら、陣形からボールを持って飛び出した霧隠へブロックへ入った。その横を霧隠は悠々と過ぎ去り、風丸は慌てて振り返る。
「しまった……壁山、止めろ！」
「うぇええ？！お、俺だけぇ……？！」
ゴール前には壁山ただ1人、壁山の慌てた様子で目を泳がせた。霧隠は加点を確信して笑う。
「もらったァ！」
霧隠がボールを蹴った。
壁山は混乱する頭を必死に動かし、足元に力を入れた。その脚は頼りなく震えてしまっているが、目はしっかりボールを捉えている。
──円堂を全力でカバーするぞ！
壁山の脳内に、風丸の声が響いた。目で風丸を探せば、ゴール前に戻ろうと走る風丸が映る。
サッと不安の波が引き、壁山は両手の拳を強く握った。
「絶対に通さないっス……！」
ぐぐぐ、と地鳴りのような音がし始める。次第に地面は揺れ、土の塊が隆起した。
それは大きな壁となり、ボールを弾いた。
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鷹羽(プロフ) - コメントありがとうございます~!!!好きと仰っていただけて感激です^^ノロノロペースではありますが、更新させていただきます！ (2021年7月15日 18時) (
レス) id: 338e0ddf16 (このIDを非表示/違反報告)
名前はまだない - コメント失礼しますm(_ _)m 主人公の設定とかめちゃくちゃ好きです！！鷹羽さんのペースで頑張ってください！更新待ってます！ (2021年7月14日 19時) (レス) id: 567784a46c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鷹羽 | 作成日時：2021年3月30日 1時
