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野生中との試合後、河川敷で練習する風景を眺める人だかり日に日に増えていく。
その正体とは、他校の偵察隊であり、河川敷での必殺技の練習は禁止とされた。
「連中、また増えてるぞ……」
『わぁ、まるで僕らはゲージに入った観察対象だ。』
「最高に嫌な例えやめろ。」
ストレッチをある程度終え、集まっていたサッカー部は河川敷に広がり始める。いざ始めるべく位置に就こうとした、その時だ。
「おい、何か変なのが来たぞ！」
土門が道を見上げて皆に通達する。視線が集まれば、そこには大きなトラックが2台もやって来ていた。
トラックの荷台が開かれ、大きなアンテナと機械が動き出す。
「偵察にしちゃあ、凄すぎじゃね？」
「今度こそテレビ局でやんすか？！」
「ばぁッか。上にあんのレーザーだぞ、レーザー。戦争でもする気かよ。」
全員が不思議そうに首を傾げる。
「なんだ、アイツら？」
「次の対戦相手です、御影専農のメンバー。
私、データベース作ったんです。」
音無は抱えた小型のパソコンを開き、幾らかいじると円堂に画面を示す。
「エースストライカーの下鶴改と、キャプテンでGKの杉森威です！」
『御影専農の主軸って事か……あはは、見ていても時間の無駄だし早く練習しようぜ〜！』
「徹底的に観察する気でいやがるぜ、嫌な感じだな！」
雷門サッカー部は視線を気にしながらも、各自練習を行っていく。次は一人一人のシュート練習だ。
「次、影野……ぅえ、アイツら入ってきやがった？！
タイム！皆、ちょっとストップ！！」
河川敷のフィールドに足を踏み入れた御影専農を見て、円堂は練習を中断した。御影専農の2人と対面し、円堂は少しばかりの怒った様子で訴える。
「御影専農のキャプテンだよな、練習中にグランドに入らないでくれよ！！」
『なァーに言われるかな？』
「あの感じだと、良いこと言われないと思うぞ……」
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作者名：鷹羽 | 作成日時：2021年2月19日 3時
