【イナイレ】おお、神さまは天の上:1 (ページ38)

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「行くぞ！」

豪炎寺の掛け声に、風丸と染岡は頷く。大神も問題ないようで、OKサインを出していた。

「だぁあぁあぁああ！！」

助走をつけ、そのまま跳ぶ。2人の腕に1度着地し、そのままさらに跳び上がってオーバーヘッドキック。

空中での体勢はあまり良いフォームとは言えず、豪炎寺は背中から地面に叩きつけられた。

「ッ……！」

咳き込む豪炎寺に、踏み台代行の2人が駆け寄った。

「大丈夫だ、まだ高さが足りない……もっと高く放り投げてくれ。

大神、俺の問題点は何だ。」

『そうだね……オーバーヘッドキックの後、膝を上半身に近づけたままにしてしまう事で足の底が上に向くのが分かるかな。

それが原因で必然的に足が上、頭が下になるんだ。気をつけた方がいい。』

「……分かった。」

豪炎寺は直ぐに立ち上がり、もう一度位置を調整する。助走をつけ、跳び上がった。

何度も跳び上がって、何度も落下する。

何度目の練習か、数えるのも飽きた頃。

『……風丸と染岡くんの腕がかなり腫れてきているし、ちょっかい出そうか。』

再びバランスを崩し、背中から落ちる豪炎寺に向かって大神は強めにボールを蹴った。

「ッ……？！」

ボールは豪炎寺のシューズの踵に当たり、弾かれた足は地面に向く。そのまま落下すれば、着地が成功した。

その場の全員は豪炎寺が着地した事よりも、豪炎寺の踵にピンポイントで当てた事に唖然とする。

「大神、お前……」

『1回転余分だけれど、君が今とった体勢が正解なのは理解出来たかな。』

「……ああ。」

豪炎寺はもう一度跳ぶ。大神からの指摘を意識し、今度は豪炎寺はついに着地を成功してみせた。

『……言葉で伝えるよりも、早めに物理行使した方が良かったみたいだね。何はともあれ、おめでとう。』

「大神、お前のお陰だ。」

『僕はヒントを与えたに過ぎない、君の努力の結果さ。君と、あの二人の粘り勝ちだ。』

染岡と風丸は豪炎寺に駆け寄り、彼を賞賛した。

大神はマネージャーに借りたクーラーボックスの中から、氷を取り出す。集まる3人でに歩み寄り、腫れている部分に押し当てた。

『御三方、お疲れ様だ。戻ろう。』

気付けば日は沈んでいる。