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あの日を境に、染岡のラフプレイは現れなくなった。
「大神さん！」
『はいはーい、っと。
……それじゃあ行ってみよう、染岡くん！』
「くぉおおおおおらあぁああ！！」
染岡の放ったシュートは、青い龍を纏い円堂の横をすり抜けた。威力とスピードを備えたボールは、ゴールのネットに当たって回転している。
その場の全員が唖然とした。
「すっげぇ……」
「今なんか、ドラゴンがガーッと吠えたような……」
「僕もそんな感じしました……」
呆然としている染岡の元に、円堂が満面の笑みで駆け寄った。
「染岡ーッ！すっげぇシュートだったなぁ！」
「これが……これが俺のシュートだ！！」
染岡は両手の拳を握り、嬉しそうにそう叫ぶ。誰もが染岡を賛賞し、誰もが喜びを感じていた。
「よしッ、このシュートに名前つけようぜ！」
「あは、それいいねぇ！！」
円堂の言葉に皆が賛同し、「ドラゴンシュート」やら「染岡スペシャル」などの名前が挙がる。
『あッはは！皆、はしゃいでしまって可愛いねぇ。』
嬉しそうに騒ぐチームメイトを眺めて、大神は誰に言うでもなく微笑ましそうに呟いた。大神も1度は名前決めに参加しようと考えたが、考えた名前のセンスがイマイチで諦めた様に肩を竦めた。
「ん？……豪炎寺。」
騒がしかった声が止み、全員が円堂の視線を追いかける。1年生は嬉しそうに声を上げ、染岡は鋭く睨んだ。
豪炎寺は雷門イレブンの前に立ち、意を決した様に口を開いた。
「円堂、俺……やるよ。」
「〜〜〜豪炎寺！！」
「「「やったー！！！」」」
1年生が飛び上がる。2年生は染岡を見やってか、複雑な表情だ。
『(染岡くんが勢い付いたこの時に来るか、タイミング悪いなぁ……)』
大神も苦笑する。
『(まぁ、この場合はタイミングなんて関係なかっただろうけれど)』
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作者名：鷹羽 | 作成日時：2021年2月19日 3時
