【 d! 】好きな人が死んだ【 shp 】 (ページ9)

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09 - 10月 rbr side ページ9

その “ ショッピくん “ とやらに、俺たち一同は聞き覚えが無かった。

随分愉快そうに笑いながら電話口で話すコネシマを横目に、俺は新しいお酒を注文。

背が低いからって、お酒が弱い訳でもないからね。

シャオロンはだいぶもうきてるようで、ぽわぽわ～とした様子で席に座っている。

「あーーーー！！ショッピくん！！！よう来たなぁ！！」

「…っス、…あー、えっと、はじめまして。不本意ながらこのクソ先輩の後輩の、し__「ショッピくんや！！！！！皆よろしくな！！！！」__はい。ショッピです。」

彼はコネシマの後輩らしく、名乗ろうとしたフルネームを遮って愛称で紹介された事を不満に思っているのか眉間に少しだけ皺が寄っていた。

たまたまタバコを吸いに行っていた大先生の席、基コネシマの隣に座ったショッピくん。

帰ってきた大先生が彼の隣に座り、ショッピくんの正面には俺という席順になった。

寝てしまったシャオロンを除き、各々が自己紹介を終えると、コネシマが注文用のタッチパネルに手を伸ばす。

「ショッピくん何呑む！？！ハイボール？ビール？？」

「いや俺未成年なんで呑めないっすよ。烏龍茶でお願いします」

「え！？ショッピくんまだ未成年なん！？大人っぽいから同い年ぐらいや思てた！！」

俺はそういえば聞いてなかった彼の年齢に驚きながら、へぇ～と相槌を打って唐揚げに箸を伸ばす。

「あ、そうやショッピくんやっけ？ショッピくんって今なんかバイトしとるん？」

大先生が不意にそんな言葉を掛けた。

「あー、今はコンビニでバイトしてますね。」

「時給いくら？」

「えーもうちゃんと覚えてないっすけど、多分1000円ちょっと…だったと思いますよ」

「ほな絶対ウチのが時給ええわ、ショッピくん俺らの働いてる塾で先生やらへん？？」

肩を組んで、まるで女を口説くみたいにペラペラと喋る大先生。

大先生の反対側の隣、コネシマが「ええやん！ショッピくん俺が数学解いてたら “ あ、そこちゃいますよ “って言うてくる位には賢いしなぁ！」と、彼の背中をばしばし叩く。

あれは先輩が足し算の時点で間違えてたからでしょ、とつっこんだショッピくん。

おいおい、それでよく塾講やろうと思えたな…

「うーん、今のバイトでも満足してるけど……まぁ、考えときますね。」

彼はそう言って、大先生の手から逃れた。