【 d! 】好きな人が死んだ【 shp 】 (ページ12)

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12 - 10月ページ12

それから少し経って、おれは指定校推薦の受験を終えた。

指定校はほぼ落ちないって聞くけど、社会経験として本気で取り組んだ。

…社会経験としてなんて言うけど、本当はAを早く守れるようになりたかったからだ。

大先生とかいうやつからなぁ！

「…もしもしA？」

「《ん？どうしたのチーノ。なんか久しぶりだね。》」

「まぁ受験あったしな……そうそう！聞いて！俺受かったで！！」

「《おー、よかったやん！これで遊び放題やな！》」

遊びに行きたいけど一人で行けへんようなとこめちゃくちゃあるねん！

と嬉しそうに話す彼女が、今は愛おしくてたまらない。

「ほな次の土日に行こうや、めいいっぱい遊ぼう！」

「《いいね～、まずは～…》」

1日の予定を組みながら、俺はふと、口から零れた言葉に気が付かなかった。

「…ふふっ、デートみたいやねぇ」

「《なに言うてんの、付き合ってないのに》」

「俺は付き合ったってもええけどな！」

「《えー、おばあちゃんになって引き取り手がいなかったら考える！》」

それはそれで、嬉しい言葉だな。なんて。