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『あら、今日は随分早いじゃないコウキ。』
皇 ｢…おはよ、｣
｢！おは、よう…！｣
星 ｢ふふ、よかったねAちゃん！｣
お母さんの声に視線をあげれば、まだ寝ぼけ眼で現れたコウキの姿。
まさかもう来るなんて思っていなかったし、寝起きと昨日の彼が違いすぎてびっくりしているわたしのことを
ホシキがにやにやしながら肘でつついてくる。
そんなわたしたちの横の椅子をガタッと引いて座ったコウキの頭は、寝ぐせが何束もぴょんぴょん立ってしまっていて
皇 ｢…なんでそんな笑ってんの｣
｢だって、なんかかわいくて(笑)｣
気がついたら笑ってしまっていたわたしを見て、不思議そうにそういったコウキ。
ムスッとしたままの彼の目が泳いだ気がしたのは、わたしの気のせいかもしれない。
星 ｢ねえ目の前でイチャイチャしないでよ｣
皇 ｢お前は早く口の横についてるパン取れよ｣
星 ｢え？！早く言ってよ！｣
｢(笑)｣
皇 ｢…Aもついてるよ｣
｢うそ、！？｣
皇 ｢ウソ。｣
｢んな、！！｣
さっき笑われたからお返し。なんて少し笑いながら
おまけに舌まで出してきたコウキは、いつの間にか目が完全に覚めたらしい。
朝食を前に、余裕そうに手を合わせてる。
皇 ｢昨日この辺案内するって言ったの覚えてる？｣
｢あ、うん！｣
皇 ｢ご飯食べて支度できたら声かけて？待ってるから｣
星 ｢おれも行きたい！いい？コウキ｣
皇 ｢Aがいいなら｣
｢私は全然、！多い方が楽しいし…ホシキも来てくれる？｣
星 ｢やったー！！おれのオススメの場所教えてあげよっと｣
腕を上げてまで喜ぶホシキに、なんだか自分もつられて笑顔になる。やっぱりかわいいなあ、この子。
鼻歌が聞こえてきそうなくらいルンルンしてるホシキとは打って変わって、シャキッと静かにごはんを食べるコウキ。
あの寝ぼけた数十分は、このお家にいる人しか見られない特権なのかな。
さっきのかわいいコウキ、
しっかりしてる彼より、ちょっとだけすきかも…なんて。
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作者名：スイ. | 作成日時：2021年10月1日 20時
