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｢コ、コウキ、、？朝だよー…｣
ホシキのように攻撃を受けまい、としゃがんだベッド横で控えめに掛けてみた声。
ぴくりともしないその背中に本当にこの人、あのコウキ？なんて
昨日の夜、「おやすみ」を言ってくれた優しい笑顔を思い出しながらもう一度声を出した。
｢コウキ、！！朝！起きて…！｣
星 ｢その調子Aちゃん！そのままぶっ叩けば起こせるよ！｣
｢え、ええ？｣
朝からそんな物騒な…。
いくら起きないからって、アグリーから助けてくれた命の恩人をぶっ叩くなんて、私でもしないわよホシキ…！
手は出さない、！そう自分の心と寝癖が跳ねたコウキのつむじに誓っていれば
ぐるり、とこちら側に寝返りを打った綺麗な顔が
パチッと瞳を開けた。
星 ｢あ、起きた｣
皇 ｢？！A、…！？なんで、｣
星 ｢コウキ起きないからに決まってるでしょ！俺が起こしてってたのんだの。｣
わずかその距離、15センチ。
寝ぼけ眼のコウキと目が合ったと思ったら、目の前の彼は驚いたように目を見開いて
すごい勢いで起き上がった。
それも うわあ、！！なんて、バケモノでも見たかのように叫んで。
寝起きだけど、そんなに酷い顔してた？わたし。
｢か、勝手に入ったりしてごめんねコウキ。朝ごはん、一緒に食べないかなあって思って…｣
星 ｢だから早く来てね！行こ、Aちゃん｣
｢う、うん｣
まだ寝ぼけているのかポカン、とフリーズしたままのコウキをほっといて出ていってしまったホシキ。
なんだか昨日喋っていた時はシャキシャキしてあんなにお兄さんぽかったのに、この様子じゃホシキの方がお兄さんみたい。
『2人してどこ行ってたの？冷めないうちに早く食べなさい』
星 ｢コウキ起こしてきた！｣
可愛らしいランチョンマットが敷かれた上。
木目調のプレート皿には、切り分けられた丸いバゲットやベーコン、サラダなんかが盛り付けされていて
美味しそうなその図に、思わずわあ…！と声が出た。
『おかわりあるから欲しかったら言ってね？』
｢はい！ありがとうございます！｣
星 ｢なんかAちゃん、子どもみたい(笑)｣
目、キラキラしてるよって言いながらホシキが持ってきてくれたのは昨日残ったらしいシチューで。
あの時は何もかもに緊張して分からなかった優しいミルクの匂いが、
湯気に乗っかりながら 私の鼻腔をくすぐっていった。
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作者名：スイ. | 作成日時：2021年10月1日 20時
