38(壱馬side) ページ38
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壱馬side
タオルケットに包まって、体操座りのまま此方の様子をチラリと伺い、目を逸らす
壱「…A?」
彼女の名前を口にすると、一瞬、身体がビクッと強張ったのが分かって
「…ん?」
平静を装いながらも、毅然とした態度を見せようとする彼女に、あぁ、そっか、と一人納得した
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壱「そんな緊張せんでええねん…俺今からAに嫌な事言うわけやないよ?」
「……そうなの?」
壱「当たり前やろ笑
ほんまに、会いたくて来たんやで」
彼女が緊張してるのは、俺の緊張が伝わってるから
伝えなきゃ思っていないのと同じ、って
臣さんのパートが頭に浮かぶ
言葉にしなきゃ、伝わらない事だってある
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壱「なぁ…好きな人とか、居ったりする?」
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こんな風に聞く自分は狡い
彼女が誰を想っているのか、自ら此処に来ている時点でもう分かっている筈なのに
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「…居るよ?」
少し潤んだ目を真っ直ぐに向けてそう言うから
壱「それって、どんな奴…?」
もっと、その先を、その声で聞かせて欲しくて
「まだ、あまりよく分からないんだけど…
その人はきっと、色んなものを犠牲にして、自分の夢を叶える為に相当な努力を重ねた人、だと思う」
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壱「どうしてそう思ったん…?」
「それはね…」
彼女は照れたように、小さく微笑んだ
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「その人の声を好きだと思ったから、かなぁ」
クスリ、と思わず笑みが溢れる
壱「Aの好きが基準なん?笑」
「あはっ笑 そうなっちゃってる笑」
壱「そんなに好き?俺の声」
「えっ…」
そう聞いてみれば、顔を真っ赤にして目を丸くする
我ながら、意地悪な男だと思う
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壱「俺は、Aが好きやで」
どうしようもなく伝えたくなって、続けて口にすると、目を丸くしたままのA
壱「…大丈夫?笑」
口元を手で押さえながら、コク、コク、と頷いた
あぁ、なんか…
俺はいつの間にか、どうしようもないくらい、彼女を好きになっていて
「…私も、好き」
そんな風に照れながら言われると、また、どうしようもないくらい、愛おしい気持ちが溢れ出す
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蘭(プロフ) - スーさん» 初コメントありがとうございます!この作品が大好きだと言って頂けたので、これからも頑張れそうです涙 そう言って頂けると自信がつきます!是非これからの展開も楽しみにして頂けたら嬉しいです(^^) (2019年11月18日 19時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - hkrさん» 何回も読み直して頂けているなんて…感激です…。長い文章を書いてしまっているため、読むのが大変だと思うので、尚更感激です…涙 これからも頑張りますので、是非楽しんで頂けたらと思います(^^)ありがとうございます! (2019年11月18日 19時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - みっちゃんさん» コメントありがとうございます!全て読んで頂けたなんて嬉しすぎます涙 楽しんで頂けているみたいで本当に嬉しいですし、これからも頑張りたいと思えます!是非これからも宜しくお願い致します(^^) (2019年11月18日 19時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
スー(プロフ) - 初コメントです!いつも、楽しくよませてもらってます!この作品大好きです!これからも頑張ってください! (2019年11月18日 7時) (レス) id: d70ff03ee4 (このIDを非表示/違反報告)
hkr(プロフ) - 更新ありがとうございます! 蘭さんの作品が好きで何回も読み直してしまいます(●´▽`●) これからも更新頑張ってください! いつも楽しみにまってます(´∀`)!! (2019年11月18日 4時) (レス) id: 6c0b67dbf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蘭 | 作成日時:2019年5月26日 22時