【歌,い,手】音ノ葉

#31 ページ32

Aside


｢俺仲間はずれとか酷くね！？｣


次に行くところを3人で考えながら歩いていると、坂田が声を上げた。


｢あーごめんなさーいごめんなさーい｣

｢別に仲間はずれにしたつもりは無いんだけど｣


渉と顔を見合わせて、にししと笑う。


やっぱり楽しいな、2人といると。


｢こうなったらジェットコースターに‥‥！｣


こいつ、私らの弱点を‥‥！ていうかまだ覚えたのかよ。この3人で遊園地に行ったのって結構前だよ‥‥。


｢坂田‥‥お土産屋で何か買ってやるから‥‥｣

｢あ、じゃあわ‥‥ﾝﾝｯ、俺はアイス奢るからさー｣


あっぶね‥‥男のフリするのすっかり忘れてた。


｢やったーアイスー！‥‥じゃない！絶っっっっ対ジェットコースター乗るから！｣

｢ﾁｯ｣

｢ﾁｯ｣

｢えっ‥‥｣


絶対とか超鬼畜じゃん‥‥ていうか戸惑った顔してんじゃねーよ、坂田‥‥。


｢まあとにかく乗るから！強制！｣


こっちを見てにやりと笑って、親指をぐっと立てる坂田。


｢もう嫌だああああ！｣


‥‥‥‥‥
‥‥‥
‥


坂田にずるずると引きずられながらやってきました、ジェットコースター‥‥。


しかもこれ、この遊園地の中でいちばん怖いやつじゃん。


｢あ、俺らの番なった！行こ｣


まだずるずると引きずられて、坂田の隣に座る。渉は仕方なくて私達の一個後ろに。


係員さんの放送が流れて、ジェットコースターが動き出した。


｢やだやだやだやだ‥‥怖い‥‥！｣

｢どんだけ怖がってんの｣


坂田に笑われて、少しイラッとした。


また舌打ちしたいわ‥‥。


｢坂田、これ終わったらアイスおごっ、いやああああああああ！｣

｢うおおおお！楽しー！｣


これ、私死んだわ‥‥。


‥‥‥‥‥
‥‥‥
‥


｢‥‥｣

｢おーい、Aー？｣


坂田に目の前で手をぶんぶんと振られるけど、もう何も考えられない‥‥無理‥‥。


頭がぐわんぐわんする‥‥やばい‥‥。


｢どうしても動かんなー‥‥おぶるか｣


坂田に持ち上げられ、そのままおんぶされる。


あう‥‥これ、結構ダサいよね‥‥。


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