第70話「高橋みなみ」 ページ22
和也「えっ、みなみが？」
優子と友美はひさしぶりに和也と会っていた。
優子「うん、学校に来ていなくて…」
友美「優子、もう良くない？あんなヤツ…」
優子「でも…」
優子にはいくつか腑に落ちない点があった。
自分のことをいじめていたみなみだが、いつも最後に悲しそうな顔を浮かべていた。
もしかしたら彼女は…。
和也「一回、みなみの家に行ってみるか？」
友美「ヤダ！ともは行きたくない！」
和也「なんで？」
友美「だって…、もうあんなヤツ友達でも何でもない」
彼女の決意は固いようだった。
一方、そのみなみはというと、公園で一人の男と会っていた。
？「はい、コレ」
男は彼女に茶封筒を手渡した。
その中には一万円札が数十枚、束になって入ってある。
？「君には、そんな役回りをさせちゃったね」
みなみ「いえ、これが“優子のため”なら仕方ないです…」
？「そっか、それより君の方は大丈夫？」
みなみ「え？」
まさかの問いに驚くみなみ。
？「最近、学校に行ってないみたいだけど」
みなみ「ええ…、まあ…」
？「本当にすまない、俺のせいで」
みなみ「いえ、私も悪い所はいっぱいありましたから」
しかし彼女の目には涙が浮かんでいた。
？「君が協力してくれたのは、お金のため？それとも…」
みなみ「決まってるじゃないですか、“優子のため”です…」
？「ありがとう。優子は本当にいい友達を持ってるよ。
もし時が来たら、本当のことを話してもいいからね」
みなみ「信じてくれますかね？」
？「信じるさ、アイツは優しい子だ。君のこともきっと受け入れてくれる」
そう告げると、男はその場を後にした。
第71話「事実がすべて正しいとは限らない」→←第69話「すべては計画通り…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神楽リュウ | 作成日時：2013年6月20日 23時
