俺だけ.24 ページ24
貴「…は、はぁ…は、ぁ…」
全速力で走って
家の前まで来た
きっと一虎はここにいる
自分の家には帰ってないはず…
貴「おちついて、、」
手が震える
鍵を握る手が、どうしようもなく震える
両手で持って力を込めて
鍵穴に差して回した
カチャン…って鍵の開く音が
やけに大きくて
ほかの音が聞こえなくなる
貴「はぁ…」
息を吐いて、心を落ち着かせた
…ちっとも落ち着かなかったけど
未だに震える手で玄関の扉を引いた
自分の家なのに
どうしてこんなに緊張しているんだろう
貴「うっ…」
酷い臭いだ…
生ゴミのような…何かが腐ったような…
そんな臭いが鼻を刺す
腕で鼻を覆って靴を脱ぎ
そっと踏み込む
ギシ…床がきしむ
リビングのドアの前まで来て
また戸惑う、躊躇した
開けていいの？
もう次は逃げられないよ…？
今ならまだ引き返せる…
警報のような音が頭の中を流れる
わかってるよ…！
危険なことをしてるなんて、わかってる…
でも、それでも…
私は一虎に会いたい…！
意を決してドアを開ける
昼間なのに部屋は暗くて
先程から漂う臭いは一層強くなる
こんなに暑いのにエアコンもついてない
貴「かずとら…」
羽宮「A…？」
荒れ果てた部屋の中
ゴミも食器も脱ぎっぱなしの服も全部そのまま
羽宮「A…ホントにA…？」
貴「…うん、Aだよ」
羽宮「Aっ…！」
立ち上がり私を強く抱き締めた
骨が折れるほど、強く
羽宮「Aがいなくなって死ぬかと思った…！」
貴「…うん、ごめんね…私も一虎がいなくて寂しかったの…ごめんね…」
彼の背中に手を回す
ほんの少し離れていただけなのに
骨が浮き出るほどに
一虎は痩せていた
羽宮「Aがいなくても頑張ろうとした…！でも何にも出来なかった…！」
食材が出しっぱなしのキッチン
使いっぱなしの掃除機
それを見て愛おしさが込み上げた
貴「一虎、大好き…」
羽宮「俺も…俺も大好き…Aがいなきゃ死ぬ…」
また強く抱きしめられる
少し痛いのが今は丁度良かった
羽宮「…じゃあ、お仕置ね…」
君だけは譲れない【東リべ】【短編集】
東リべの短編集です！
読んでいただけると喜びます！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 162人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
刹 那 𓂃◌𓐍 - 夢 主 ち ゃ ん が 幸 せ な ら も う な ん で も い い よ . . . ( ( (6月26日 9時) (
レス) @page26 id: 1eb70cc4c2 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - ネコさん» ありがとうございました！きっとこれからもラブラブ(？)ですね… (2022年2月17日 11時) (レス) id: 387270c9d7 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - 完結おめでとうございます🎉最後まで一虎くんと夢主ちゃんがラブラブ(？)のままで良かったですε-(´∀｀*)ホッ短編集も更新頑張ってください(๑•̀ㅂ•́)و✧ (2022年2月16日 21時) (レス) @page26 id: 3476b03444 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - こたつで食べるアイスは最高なのださん» ここまで読んで頂きありがとうございました！ (2022年2月16日 19時) (レス) id: 387270c9d7 (このIDを非表示/違反報告)
こたつで食べるアイスは最高なのだ - 完結おめでとうございます！！ (2022年2月16日 16時) (レス) @page26 id: 689f1d0164 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：山口咲良
| 作成日時：2021年12月6日 18時
