【忍たま】柑橘狂はトリップしても無敵Part3

131話:お花を摘みに ページ38

「とりあえずごはん食べてください。
みんなが持ってきてくれたんですよ」

「至れり尽くせりじゃないですかあ…」

正直ここに来てからお世話するばかりだったので、される側になると少し恥ずかしい。

私は数馬くんからお盆を受け取り、今日のメニューは何かと…



「おかゆうううぅぅぅうう」


お粥でした。

卵さんが入ってるお粥でした。

「まあいいさ。
お粥は腹持ちもいいし消化しやすいからね。
ただベトつくごはんがちょっと苦手とかそんな事あったり無かったりするだけだもん」

ぷう、と頰を膨らませてお粥を口に含む。

やっぱり少しべとべとで好きでは無…


「……このお粥…美味しい…！」

「気分の浮き沈みが激しい子ねえ」

そう突っ込むシナ先生をスルーし、お粥をぱくぱく食べる。

白だしの効いたシンプルなお粥に卵の甘さがプラスされてマジデリシャス。

あっという間にお粥を食べ終わり、お礼を言いながら数馬くんにお盆を渡した。



「お花を摘みに行って参りますわ」

さすがに異性の前で「トイレ行ってくる！」とか言えないので、少しお淑やかに言ってみた。

「なんでお花を摘むの？」

あるぇ？シナ先生、そこ突っ込みますか。
もしかして室町に通じないお嬢様言葉でしたか。

「………あの、厠行ってきます」

二重に恥ずかしくなって小声で言うと、シナ先生は「しまった」という顔をした。

…遅いです。

「あっあのええと、私もついていくわ。
まだしんどいものね、倒れたりしたら大変だもの」

「わあ、ありがとうございます。
じゃあちょっと行ってくるね」

そう言って立ち上がろうとしたが、ふと思い出した。

「あー…みんな、ちょっと後ろ向いてもらっていい？」

「なんでですか？」

藤内くんが不思議そうに聞き返す。

私はそれに苦笑し、恥ずかしげに答えた。

「ここ来た時袴と着物の帯緩めててさ。
今立ったら見える」

とりあえず着物だけでも着直すから、と言えば、3年生6人は顔を赤く染めて後ろを向いた。

それがなんだかとても申し訳なくなったので、私も急いで着付け、シナ先生と共に医務室を出た。

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