【忍たま】柑橘狂はトリップしても無敵Part3

130話:激おこ ページ37

「Aさーん、起きてくださーい」

身体を揺すられ、ぱちりと目を覚ました。

「ん、なに？」

頭を押さえながら起き上がれば、周りには心配そうな顔の3年生とシナ先生がいる。

「……なんでみんないるんですか」

「なんでじゃないわよ！」

普通の疑問を普通に聞いただけなのに、何故かシナ先生が怒った。

3年生もどこかムスリとしている。

まったく意味がわからず小首を傾げると、我慢の限界がきたらしいシナ先生が怒鳴った。


「急に倒れたって聞いてびっくりしたわよ！
ああびっくり！
無理するなって言ったわよね！？
貴女それでも医者の娘！？
もしかして「3日目で休んだら役立たず」とか考えてないでしょうね！？
そんなのより自分の身体を大切にしなさい！
もうほんとバカじゃないの！？
ああバカ！もうバカ！マジでバカ！」

「ごっ、ごめんなさいぃ…」

凄い剣幕のシナ先生を、作兵衛くんがまあまあと宥める。

「Aさんだって頑張ったんですよ。
まあ、バカなのは同意ですけど」

「作兵衛くん、私年上！」

なぜ起きて早々こんな扱いを受けなければならないのか。

状況が理解できなくて疑問符を浮かべまくっていると、それを察した数馬くんが説明してくれた。


「今はお昼休みで、みんなAさんのお見舞いに来てくれたんですよ。
散々な言われようですが、それは自業自得だと思います。

まだ体調が悪いとかありますか？」

そう言われ、自分の体調の変化に気づいた。


「………凄く、良いです」

「それは良かった」

数馬くんはこれもお薬のお陰ですねーと笑う。

私はそれを聞き、同じ苦痛を味わった孫兵くんに話しかけた。

「まっ、ままままごへいくん、これほんと凄いよ。
なんかすっごい体調が良い。
やばいこれ平成で役に立つ知識かもしれない。
ねえ数馬くんお薬の作り方教えてくれない？」

「わかりました。
まずはこの薬草を……」

「あっ、それ多分平成にないわ。
ごめんやっぱいい」

とても勿体無い機会だが、無い物で作れと言われても無理なのだ。

苦笑する数馬くんをよそに、私は肩を落とした。

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