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122話:駄目っぽい ページ29

「おばちゃーん、お粥とご飯頂けますか…」

例のごとく静まりかえる食堂内で、ふらふらになりながら台所に入った。

「あらAちゃん、おはよ…どうしたのその顔」

振り返ったおばちゃんは驚愕を顔に浮かべる。

「あー…ちょっと疲れが溜まってるんでしょうか……」

苦笑いでごまかすものの、おばちゃんは騙されてはくれなかった。

「今日のお手伝いはいいわ。
とりあえず座って休んでなさい」

「でも……」

「いいから」

ぐいぐいと背中を押され、半ば強制的に台所を追い出される。

これは申し訳ないなあとため息をつき、仕方なく3年生の固まる机に向かった。



「…Aさん、体調悪いんですか?」

あまりにも顔色が悪かったのだろう。
藤内くんが心配そうに尋ねてきた。

私はどんどん酷くなる頭痛を堪え、笑顔で頷く。

「……うん、大丈夫。
これはなんていうか…二日酔いだから」

「二日酔い!?」

私の馬鹿みたいな嘘にみんなが驚く。

そりゃそうでしょうね、自分でもびっくりだわ。

「だから心配しないで。
ほら、ご飯冷めちゃうよ」

みんなはまだ腑に落ちない顔をするが、私が何も言わないと悟ったのか、大人しくご飯を食べ始めた。


「Aちゃーん、できたわよー」

「はあーい」

おばちゃんに呼ばれ、席を立った。

そしてカウンターの方へ歩きだし…


「……ぅおっ、」

急に足の力が抜け、膝から崩れ落ちた。

「Aさん!?」

食堂中がざわめき、3年生の心配そうな声が聞こえる。

「ぁー…ごめん、ちょっとつまづいただけだから…」

そう言って立ち上がろうとするが、くらくらと視界が回って上手く立てない。

これはヤバいなーなんてどこか他人事に感じてみるも、痛む頭と尋常じゃない寒気で現実に引き戻された。

123話:わあ、驚愕→←121話:動悸と息切れ



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河鳴(プロフ) - さくらんぼぱいさん» 前作からありがとうございます!ギャグとかほざいてたクセにシリアスたっぷりですが、よろしくしてやってください! (2015年6月15日 19時) (レス) id: 26f58208c6 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼぱい(プロフ) - すごいおもしろいですー。笑更新がんばってください。応援しています (2015年6月15日 18時) (レス) id: eb5c2b9479 (このIDを非表示/違反報告)
河鳴(プロフ) - 吹雪夏海さん» 今までノーマルだった夢主ちゃんはショタへの目覚めに戸惑うこともあるでしょうが、生温かい目で見守ってくれたら幸いです!応援ありがとうございます! (2015年6月14日 22時) (レス) id: 26f58208c6 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪夏海(プロフ) - 河鳴さん» wwwショタ夢主って大好きですw面白いから【真顔…更新応援してます!! (2015年6月14日 22時) (レス) id: ffcea8df34 (このIDを非表示/違反報告)
河鳴(プロフ) - 吹雪夏海さん» コンセプトは「とにかくショタ」です( *`ω´)前作が久々知オチでしたので、今回はとにかくショタです。上級生もギリギリショタとか知らない。ショタが許されるのは小学生までです。これからも夢主ちゃんのショタコンへの変貌っぷりに乞うご期待です! (2015年6月14日 0時) (レス) id: 26f58208c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:河鳴 | 作成日時:2015年6月3日 19時

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