曲がり角の出会い ページ19
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Aは、1人フクロウ小屋に向かって歩いていた
もしかしたら、母から手紙かチョコが来ているかもしれない
そんな淡い期待を胸に歩く
ドンっと、廊下の曲がり角で誰かにぶつかった。
『っ悪い……！』
咄嗟に、ぶつかってきた相手が転ばないよう抱きしめる。
『ふぅ………大丈夫か？』
ぶつかってきた相手を見て、Aは固まった。
赤毛に、緑の瞳のリリー・エバンズだ。
リ「助かりまし、た……」
エバンズも、Aを見て固まる。
リ「あ、あの……」
エバンズが何か言いかけたとき、ふざけた声が廊下に響いた。
ジ「エバンズ〜？女神さまぁ〜！どこにいるの〜？」
ジェームズだ。
リ「あ、あの、逃げたいので、腕を離してもらって良いですか？」
Aがジェームズと仲がいい事を知っているからか、一向に離さないAを睨む。
『………こっち来て。』
抱きしめていた腕を外し、エバンズの手首を掴む。
リ「ちょっと…離して！」
エバンズが抵抗しようとするが、強く引っ張る。
ジ「エバンズー！？」
ジェームズの声から遠ざけるように、廊下を走る。
リ「はぁっ…はぁっ………！」
2人が辿り着いた先は、天文台の塔の上だった。
リ「…ハァ、ここ、立ち入り禁止よね……」
エバンズが息を整えながら言う。
『ジェームズも流石にここには来ないだろ。……無理やり走らせて悪かった。』
Aは振り向いて、頭を下げて謝る。
リ「……こ、こちらこそ助かったわ。もう行くから………」
エバンズが出ようとするが、Aは彼女を引き止めた。
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作者名：ネクタイピン | 作成日時：2022年3月2日 21時
