34,「戻らない」 ページ34
えんみ、と。
銀時君が今迄忘れていたかのように、唐突に口にした。そのおぞましい名前を。
_____「そいつなら俺も知ってるぜ」
『!トシ』
すると、会話をぶつ切る様にトシの声が響いた。声の方を見れば、煙草を吹かしながら彼が柱に寄り掛かっている。
どうやら厭魅について知ってる様だけど……
土方「蟲毒と呼ばれる呪術を用い、攘夷支士達に大層な損害をもたらしたとか…」
『蟲毒…?』
呪術とはまたオカルトチックな…
土方「だが、種を明かせば奴等の呪術とはナノマシンと呼ばれる極小のカラクリ」
『!!それって、』
土方「嗚呼…奴等の用いたナノマシンは、現来において猛威を振るう白詛のそれと…酷似していた」
じゃあ……この星に白詛をバラまいたのは魘魅という事だろうか。
銀時「そんな筈はねェ…」
『え?』
銀時「奴等は確かにあの時に……!」
銀時君が口を噛み締めた。
(“そんな筈はない”という言葉……銀時君が攘夷戦争時代に倒したという事かな?)
けれど、もし生き残りが居たとしたら話は変わってくる。未来の私が死んだのも、その生き残りと会ったからだろうし。
そこまで考えた所で。
______ドォォオン!!!!!
『ッ!』
近くに、雷が落ちた。豪雨の中空が黒く光る。
そして、その瞬間。
____ダッ、
『銀時君!?』
銀時君は、急に走りだして外に出ていってしまった。
(傘もささずに……大丈夫かな)
沖田「何でィ、アイツ大急ぎで走っていったが…何かあったんですかィ?」
土方「さァな」
すると入れ違いで部屋から総悟が出てきてトシに訪ねるが…トシは素っ気なく煙を吹かした。
……真撰組だった時と、同じ光景。
でも、例え同じでも。
(……真撰組は…もう、無いのか…)
屯所なんて、もう瓦礫の山になっているんだろうな。
嗚呼、それなら。愛しい日々が無いのなら。それなら私がいても迷惑をかけるだけだから……
『あの、さ…トシ、総悟』
「「?」」
『ごめん』
『私……皆の元に居れないや』
沖田「…な、」
土方「は?何言って、」
『万事屋に世話になろうかなって』
沖田「折、角戻ってきたのに?」
『ごめん』
『でも…今も昔も、私は真撰組なんだ』
ー
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夢花(プロフ) - 実珠さん» naluhodone☆wakaruwa☆ (2021年5月9日 20時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 夢花さん» そうなのよ……銀魂男子は絶対そういうの大切にすると思うのよ…… (2021年5月9日 20時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - てか、夢主ちゃん死してなお愛されてるのね…ぐへへへへ←は? (2021年5月9日 20時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - 実珠さん» おk!暇やったら見るわ!呪術廻◯戦といい銀魂といい…ネトフリでみなきゃいけないのが増えてきたぜ☆嬉しいけどね☆ (2021年5月9日 20時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 夢花さん» あ、でも夢主が真選組だからちょっと意味分かんないかも。これもネトフリでやっとるで。銀魂完結編、って調べれば出てくると思う (2021年5月9日 18時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2021年1月6日 14時