早上がり ページ38
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「あの、これはですね、その…………」
司は慌てて口元を手で抑えるが、時すでに遅し。
顔に熱が集まる感覚がする。
真っ赤に染まっているのは鏡を見るまでもなくわかる。
Aがぽかんとしているから、早く何か取り繕わなければいけないのに、言葉が出ない。
こんなムードの欠片もないレッスン終わりで、しかも他のメンバーが聞いている前での告白なんて、想定外だ。
しん、と静まり返ったスタジオの空気を見る限り、この場の全員に聞こえていたのだろう。
司が夜なべして作り上げて覚えたはずのセリフも、どこかにすっ飛んでいってしまった。
「司、熱でもある…………？」
「あ、ありません！体調管理は怠っていませんので……」
ああもう、言いたいのはそんなことじゃない。
この状況はどう切り抜けるのが正解なのだろう。
今すぐにでも改めてちゃんと伝えたいところだが、まだ片付けも残っているのに司とAが抜けるわけにはいかない。
司はどうしたら良いかわからずに、藁にもすがる思いで泉を見る。
泉はバカじゃないの、とでも言いたげにため息をついた。
「あとは俺たちでやっとくから、かさくんとAは先に帰りなよ。それでいいよねぇ？」
泉はそう言うと、他のメンバーに目を向ける。
「賛成〜」と凛月が、「そうね、2人ともまた明日♪」と嵐が快く送り出す。
レオはというと、「じゃあな！」と何も気にしていなさそうに手を振るなり、ペンを握って楽譜にかじりついている。
とにかく、司とAの2人は早上がりして良いらしい。
先輩方にこう協力されて送り出されては、今度こそ伝えきるしかない。
「Aさん、お話があるので、今日の帰りはご一緒してもよろしいですか？」
「いいよ〜、昇降口にいるね」
まだ着替えていない司を残して、Aは防音室をひと足先に出ていった。
司は心拍数が上がっていく胸を押さえ、息をついた。
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トド(プロフ) - にんじんさん» そんなに楽しみにして頂いてたとは！！嬉しいお言葉ありがとうございますー！！今後の励みになります！ (10月2日 19時) (
レス) id: a788b41716 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました！毎回の更新楽しみにしてて朝に読んでテンション上げて行くのが日課になってました！！ありがとうございました🙏 続編も楽しみにしてます！ (10月2日 18時) (レス) @page47 id: 96c9f21394 (このIDを非表示/違反報告)
傘(プロフ) - ありがとうございます！！本当に嬉しいです😭 (8月23日 22時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - とても面白いので更新楽しみにしてます！ (8月23日 22時) (レス) id: 44f6912c5a (このIDを非表示/違反報告)
傘(プロフ) - ^^さん» そうですね。評価ばかりどっと増えたので、同じ方が入れてるのだと思います。 (8月18日 22時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トド | 作成日時：2023年8月18日 19時
