楽しみと緊張 ページ31
＿＿＿＿＿
きたる、Aとの約束の日。
家を出る前から心臓がうるさくて落ち着かなかったので、司は30分も早く待ち合わせ場所に来てしまった。
会う前から緊張でお腹が痛くなりそうなのに、顔を合わせてしまったら頭がパニックになりそうだ。
早く会いたいけれど、心の準備ができるまで待って欲しい。
かといって隠れるわけにもいかず、Aがいつ来ても見落とさないように道行く人をぼんやりと眺める。
今更ながら、不自然な誘いじゃなかっただろうかと気になって仕方がない。
待ち時間が長ければ長いほど余計なことを考えてしまうので、早く来すぎるのも良くないことだと司は学んだ。
おそらくAは集合時間とほぼ同じ頃に来るだろう。
普段の学校でも遅刻ギリギリを攻めるような人だ。
まだ来ない、落ち着け司と必死に己を宥めていると＿＿＿
「あれ、早いねー」
Aが目の前に立って、司の顔を覗き込んでいた。
まだ心の準備が完全でないのに。
そして初めて見る私服に、髪のセット。
Aが突然現れた驚きと見た目による情報量で、司は頭が真っ白になりそうだった。
「Aさんこそ、てっきりまだ来ないものかと…………」
「楽しみと緊張でじっとしてられなくてね〜」
Aの言うことに司は激しく同意した。
楽しみと緊張に取り巻かれていたのは自分だけではなかったとわかって、かなり気が楽になった。
「それよりどう、似合ってる〜？」
Aがスカートをつまんで、お姫様のようにくるりと回る。
回った瞬間に、言葉では表せない、女子特有のいい匂いがしたことは黙っておく。
もちろん似合っている。可愛い。大好き！！
と、言えたらよかったものの、咄嗟にそんな言葉が出てくる余裕は司にはなく。
「ぁ、はい。…………お似合い、です」
Aの言葉を肯定するので精一杯だった。
リードされてばかりではダメだと思いつつも、元気にたったか歩き出すAに司はついて行った。
「あっ！す、すみません！」
「いや、指先当たったぐらいでそんなに謝らなくても」
「(歩く距離感というのも難しいものですね……)」
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トド(プロフ) - にんじんさん» そんなに楽しみにして頂いてたとは！！嬉しいお言葉ありがとうございますー！！今後の励みになります！ (10月2日 19時) (
レス) id: a788b41716 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました！毎回の更新楽しみにしてて朝に読んでテンション上げて行くのが日課になってました！！ありがとうございました🙏 続編も楽しみにしてます！ (10月2日 18時) (レス) @page47 id: 96c9f21394 (このIDを非表示/違反報告)
傘(プロフ) - ありがとうございます！！本当に嬉しいです😭 (8月23日 22時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - とても面白いので更新楽しみにしてます！ (8月23日 22時) (レス) id: 44f6912c5a (このIDを非表示/違反報告)
傘(プロフ) - ^^さん» そうですね。評価ばかりどっと増えたので、同じ方が入れてるのだと思います。 (8月18日 22時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トド | 作成日時：2023年8月18日 19時
