特権 ページ15
＿＿＿＿＿
「あれっ、A髪切った！？」
「少しだけね。桃李くんよく気付いたね〜」
朝の休み時間にお喋りする桃李とAを、司は離れたところから眺めていた。
Aが髪を切ったことくらい、教室に入ってすぐに司も気付いたのに。
桃李が先に言ってしまったので、後出しのようで言う気が失せてしまった。
「そうだ！これ見てよ！かわいくない！？」
「かわいいね〜」
きゃっきゃと楽しそうに会話が弾んでいる。
雑談だけでAとここまで盛り上がれる桃李が、司は少し羨ましかった。
「かわいい」だけで成り立っている女子高生のような会話に参加したいわけではないが。
今まで司が一方的にAを毛嫌いしていたため、2人の会話といえば事務連絡ばかりで、一言二言しか続かなかった。
あれだけ素っ気ない態度を取っておいて、今更普通のクラスメイトのように雑談を持ち出したら、変だと思われるだろうか。
そもそも切り出し方がわからない。
桃李と同じくらい素直になれたらよかったのに、と司は初めて桃李を羨んだ。
Aの意外な一面を知ってから、これまでのようにな彼女への嫌悪感はなくなってしまった。
せっかくだからクラスメイトとして、担当とプロデューサーとして、仲良くしたいのだが。
こんなに自分勝手で、そう簡単にAと上手く話せないのは自業自得なのだろう。
司は自分の日頃の行いを悔やんだ。
＿＿＿＿かといって、このまま黙って見ているのも気が済まなかった。
司は席を立つと、桃李とAのところへ向かい、わざと会話の途中で声をかけた。
「Aさん、Knightsのことで少しお話が」
「あぁうん。桃李くん、ちょっとごめんね」
Aが桃李との会話を中断してまでこちらに気を向けてくれたので、司は優越感のようなものに浸っていた。
現に、完全に邪魔をされてAを取られた桃李が、不満げに司を睨んでいる。
これがAさんをプロデューサーにもつUnitの特権ですよ、と司は勝ち誇った笑みを桃李に返した。
とはいえ、こんな方法でしか話しかけることができないなんて、不器用にも程がある。
嫌悪感はなくなったものの、Aに対して未だに素直になれない自分に司は嫌気が差した。
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トド(プロフ) - にんじんさん» そんなに楽しみにして頂いてたとは！！嬉しいお言葉ありがとうございますー！！今後の励みになります！ (10月2日 19時) (
レス) id: a788b41716 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました！毎回の更新楽しみにしてて朝に読んでテンション上げて行くのが日課になってました！！ありがとうございました🙏 続編も楽しみにしてます！ (10月2日 18時) (レス) @page47 id: 96c9f21394 (このIDを非表示/違反報告)
傘(プロフ) - ありがとうございます！！本当に嬉しいです😭 (8月23日 22時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - とても面白いので更新楽しみにしてます！ (8月23日 22時) (レス) id: 44f6912c5a (このIDを非表示/違反報告)
傘(プロフ) - ^^さん» そうですね。評価ばかりどっと増えたので、同じ方が入れてるのだと思います。 (8月18日 22時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トド | 作成日時：2023年8月18日 19時
