相合傘 ページ11
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今日はKnightsの練習がない。
午後から雨が降り出したので、弓道部の活動もなく、司はまっすぐ家に帰ることにした。
こんな時のために折りたたみ傘を持ち歩いていてよかった、と思いながら、昇降口で傘を開く。
不意に横を見たら、1人で立ち尽くしているAの姿があった。
こんなところで突っ立っているのを見るに、おそらく傘でも忘れたのだろう。
「傘、忘れたのですか」
「うん。止まなそうだから、走って帰ろうと思って」
「そうですか。せいぜい風邪を引かないように」
Aがどうやって帰ろうと、傘を持っているここでは "勝ち組" の司には関係のないことだ。
一足先に司は昇降口を出た。
傘に落ちる雨粒の音を聞く限り、かなり大粒の雨だった。
傘を深く差したままちらりと振り返ると、ぽつんと未だに突っ立っているAの姿。
司は1度、深くため息をついた。
「.............入ってください」
「いいの？」
「Producer に風邪を引かれると困るので」
結局引き返してきてしまうなんて、自分も世話焼きなものだ、と司は思った。
ひとりぼっちで立ち尽くしているAがか弱い小動物か何かに見えて、見て見ぬふりをできなかった。
「ありがとう、司」
本降りの雨だというのに、向日葵が咲いているのかと思うほどの笑顔をAは司に向けてきた。
日頃から気に食わない相手なのだから、ずぶ濡れにでもなってしまった方がせいせいするのに。
気を遣ったのはこちらの方なのになんとなく決まりが悪くて、司はそっぽを向いた。
「天気予報、見てこなかったんですか」
「朝はほんとに時間ないんだよー」
「もう少し余裕をもって起きるべきですよ。あなたはいつも遅刻ギリギリですし」
お互いの話し声と、雨が地面を打つ音しか聞こえないせいだ。
背後で突然鳴ったシャッター音に、Aも司も気が付かなかったのは。
「.............へぇ」
シャッター音を発したスマホの持ち主は、ニヤリと笑った。
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トド(プロフ) - にんじんさん» そんなに楽しみにして頂いてたとは！！嬉しいお言葉ありがとうございますー！！今後の励みになります！ (10月2日 19時) (
レス) id: a788b41716 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました！毎回の更新楽しみにしてて朝に読んでテンション上げて行くのが日課になってました！！ありがとうございました🙏 続編も楽しみにしてます！ (10月2日 18時) (レス) @page47 id: 96c9f21394 (このIDを非表示/違反報告)
傘(プロフ) - ありがとうございます！！本当に嬉しいです😭 (8月23日 22時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - とても面白いので更新楽しみにしてます！ (8月23日 22時) (レス) id: 44f6912c5a (このIDを非表示/違反報告)
傘(プロフ) - ^^さん» そうですね。評価ばかりどっと増えたので、同じ方が入れてるのだと思います。 (8月18日 22時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トド | 作成日時：2023年8月18日 19時
