235話 「大体はヤクザが悪い」 ページ42
『クソ……ん？』
先ほど伸した下っ端の男の胸元からマイクが覗いている。
ハッ！と思いついて拝借し、スイッチを入れた。「ブォン」と同じように起動音が響く。
ヒプノシスマイクの威力は半端じゃない。そしてそれはどうも「聴いてしまう」という行為がまんまダメージを受けることにつながるらしい。寂雷先生の受け売りだけど。
ならばどうすればいいか。簡単である。
相手から発せられるマイクの音を、聴かなければいい。
「ひれ伏せクソア――
『うるせえええええええええええええええええええええ！！！！』
キィィィィィンと明らかに不味い音がしたがしらない。気にしてられない。
男が何か言い出した瞬間に息を吸いこんで声を上げた。そしてマイクに向かって叫びながら男の元へと走り込み、そのまま蹴りを叩きこむ。呆気に取られていた男はまさかマイク使用中に物理で殴られるとは思わなかっただろう。防御する姿勢すら見せないまま吹っ飛んだ。今度こそ気を失ったはず。
『ッあー……くそが』
頭が揺れている。大声を出したからなのか、少しだけでもさっきの男のマイクを通した声を聴いたせいなのか。どちらにせよ、膝を着くわけにはいかない。
まだ、残っているのだ。マイクを放り投げて、木刀を握りしめた。
覆面パトカーを運転するのは銃兎。眉間には盛大に皺が寄り、運転も当然の事ながら荒い。
その助手席に乗るのは銃兎と同じような状況の左馬刻。此方はとんでもない勢いで煙草を消費している。
その左馬刻がガンッとダッシュボードを蹴った。何か言いかけた銃兎を遮るように無線から言葉が飛んできてそれにイライラを隠すこともなく答える。恐らく無線先の相手は震えあがっているだろう。当然、銃兎の部下である。
無線を切った銃兎はチッと舌打ちを鳴らして左馬刻を横目で睨みながら叫ぶ。
「お前のせいでミスっちまっただろうが！」
「俺のせいにすんなやクソポリ！」
「仕事中に電話かけてくんじゃねえっての！！おかげでおとりやってた部下を見失ったじゃねえか！！」
「ボンクラすぎんだろ！」
「うるせえ！！ボンクラは部下だ！！」
違法マイクや薬も絡んでいるとのことで銃兎が追っていた誘拐事件。部下を囮として自分たちは張っていたが、そこに左馬刻からの着信。
無視していたがうざったるいほど鳴り続けるそれにイラつきがピークに達し、部下にその場を任せて離れたのだ。
それがいけなかった。よりにもよって部下が余所見をした瞬間連れていかれた。
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レイ(プロフ) - 夢主ちゃんの反応がホントに面白いです。ちょくちょく入ってくる他作品ネタもニヤニヤしながら見ています(￣▽￣)いつまでも待っているので自分のペースで頑張ってください！応援しています。 (2019年6月3日 18時) (
レス) id: 9314b0693c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - 寝不足ハープさん» ありがとうございます！楽しんでいただけてなによりです☆彡これからもよろしくお願いします。 (2019年5月27日 17時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
寝不足ハープ(プロフ) - 続編おめでとうございます！毎回楽しく見させてもらってます。更新頑張ってください！ (2019年5月27日 2時) (レス) id: 69f8faa1c1 (このIDを非表示/違反報告)
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