234話 「バッキバッキにおーれっ、何をぉ?」 ページ41
二つの銃口がこちらに向いている。
恐れることなく駆け出せば案の定発砲されたが掠りもしない。構え方的に撃ち慣れてないだろうなとは思ったけどそんなにですか。
手始めに片方の銃を持った男をぶっ飛ばし、床に転がり落ちた銃を足で柊さんの方へ蹴り飛ばす。向かってきた男を木刀でぶっ叩きながらもう一人の銃持ちを処理した。ついでにもう一人男を沈める。もう一丁の銃もありがたく頂いて、こちらも女の子たちの方へと投げた。
横目で見ればショートカットの女の子が拾って柊さんの見よう見まねで構えている。
『ふーッ……おら来いやァ!!』
半ば雄叫びの様に声を張り上げれば男たちも呼応するように叫んだ。どうやらナイフやバッドを持っている奴らもいるが俺だって木刀持ってるからそこは許してやらんこともない。
殴って、蹴って、受けて、躱して、殴って、殴って、殴って…………。
どんなクソ野郎どもだろうと殺すわけにはいかないだろう。「ここ」はそういう世界じゃない。喧嘩紛いの殴り合いなんて最後にやったのは何時だろうか。
基本、斬った敵は再起不能だったのを思い返す……手心を加えるというのは存外厄介だな。
「こ、こいつ……普通じゃねえ!」
「だからどうした!数はこっちが多いんだ。そ、そのうち」
『そのうちィ?』
ペッと口の中に溜まっていた血と唾を吐き捨てる。
なんてことない攻撃。それでも受ければやっぱり傷はつく。治癒能力をこんなところで使うわけにはいかない。本当なら焼けた左頬がじくじくと痛むはずなのに、大暴れによるアドレナリンの安売りセールのお陰で全くもって痛みを感じない。
相手さんのナイフやらなんやらのお陰で血は出るわダイレクトに破れるわで洋服がめちゃくちゃだが……左馬刻さんには土下座しよ。
ああ、そっちの方が憂鬱だ。
『そのうち何?お前らの身体が起き上がれなくなるって?それとも心が折れるのが先?』
悲鳴のようなかかりの声を上げながら殴りかかってきた男の拳をクロスした腕で受け止める。腰が引けてるよ。ウエイト全然乗っかってない。
『らあっ!!』
「があっ!」
そのまま腹部に蹴りを入れると動かなくなった男。あー、落ちたね。
さて、まだやるのかとぐるりと見まわす。男どもの喉が大きく上下する。ゴクリ、ってやつ。スタンスを広くとり、腰を落とした瞬間「ブォン」という、最も聞きたくない音が脳を貫いた。
「調子のんじゃねえ!!」
リーダ男……最初に伸したと思っていたのに!
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レイ(プロフ) - 夢主ちゃんの反応がホントに面白いです。ちょくちょく入ってくる他作品ネタもニヤニヤしながら見ています( ̄▽ ̄)いつまでも待っているので自分のペースで頑張ってください!応援しています。 (2019年6月3日 18時) (レス) id: 9314b0693c (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - 寝不足ハープさん» ありがとうございます!楽しんでいただけてなによりです☆彡これからもよろしくお願いします。 (2019年5月27日 17時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
寝不足ハープ(プロフ) - 続編おめでとうございます!毎回楽しく見させてもらってます。更新頑張ってください! (2019年5月27日 2時) (レス) id: 69f8faa1c1 (このIDを非表示/違反報告)
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