【ヒプマイ】どこの世界でも俺が最強だと思ったら大間違いだクソボケ！！【5章】

211話　「俺の推しはクレヴォ・グアン」 ページ18

まあ、マカロンはいいとしてだ。
銃兎さんから免許証等々を受け取る為、素潜り漁と銭湯を終わらせた俺はバスに揺られている。
待ち合わせ場所はみなとみらい………赤レンガ倉庫とかワクワクが止まらない。
肩の上でぷーぷーと寝ている銀を撫でていれば目的のバス停を告げられて慌てて降りた。

『ピッ……とね』

銃兎さんに貰ったSu○caと白いウサギがプリントされた黒い定期入れをかざして思わずつぶやく。いや、便利だよね。これ一つで主要な公共交通機関が使いやすい………最初使った時に時に既にめちゃくちゃ大きい金額が入ってて二度見したけど。いや、ある程度はチャージしてますよって……犯人は公務員だけではなく自営業のあのお方もだろうけども。

『ええっと……たしか』

指定されたスタバを探していれば難なく見つけることに成功した。
期間限定もそそられるが、今日の気分はダークモカチップフラペチーノだ。というか期間限定のヤツはこの前二郎に一口貰った。うん、美味しかったけどおっそろしく甘かったから今日はパスで。
見つけてもらいやすいようにテラスの端っこの席に座って、一郎から借りたラノベ(帝国暗殺部隊の隊長、コンビニ店員にジョブチェンジ！！？)を開く。正直言えば借りたというか押し付けられた。いいから読んでくれしんどいから、だそうだ。言葉選びが流石ヲタクってところか。因みに、読み終わったら聖地巡礼に連れて行ってもらえるらしい。わ、わーい。嬉しいなあ。
今は二巻。本音を言えば………すっげえ面白いのコレ。俺の推しキャラは主人公であるクレイ・ドラグノフの所属する暗殺部隊のボスであるクレヴォ・グアンだ。男勝りでちょっと抜けているクレイに呆れつつも実力を認め、信頼と愛情を向けている(自分では認めないがそこがいい)………勿論、超強い。ビジュアルもよい。黒いスーツに大仰なコートがよく似合う。まさに暗殺集団のトップといった様相だ。

『……俺にもしっかりヲタクの血が流れてるなあ』

上の様に語ってしまうわけである。え、誰かに似てるって？気のせいでしょ。うん。
兎に角、推しキャラ決まったら一郎に教える約束していたのでソッコーで送った。「わかる！！」と返信が来たときは「だよね！！」で返した。三文字で事足りるのだニュータイプのヲタクは。そのニュータイプ曰く、俺の推しがえげつなくカッコいいのは三巻らしい。楽しみすぎて禿げそうだが、その楽しみを得るためにはまず、この二巻を読み終わらねばならない。

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