164話 「俺というより」 ページ20
「うーん……僕と左馬刻、昔は同じチームだったんだよね」
『あ、なんか聞いたことが………あぁ、寂雷先生に同じようなことを』
「げ、あのジジイと知り合いなの?」
うげーっとベロを出してあからさまに嫌な顔をする乱数に首を傾げると「……やっぱり分かってないんだ」と呟かれた。
「そそ、僕とジジイと左馬刻ともう一人……それが当時最強と呼ばれていたチームだったんだけど………そのもう一人が左馬刻にくっついて回っててね」
『へぇ……』
「まだ学生だったんだけど、左馬刻さん左馬刻さん!って犬みたいに」
なんだかんだ面倒見がいい左馬刻さんだ。割と想像がつく。
まあ、理鶯の近くにいるから彼のそんな姿が見れているんだよなあ……って思いなおせば、左馬刻さんのその態度は中々にレアなのだろう。
だからこそ………。
『俺、そいつに似てたって事?』
「うーん……なんだろ。見た目はそうだね、黒髪と目……あとは服の雰囲気が似てるね」
『黒髪と服はまあ……アレとしてさ。目?』
「うん。その子ね、オッドアイで片目は赤なの」
オッドアイと聞いて二郎が浮かんだがすぐに除外。あいつの瞳は緑と黄色だった。
と言っても、俺は両目が赤いからねえ……横顔ならわんちゃんアリって感じだろ?
『それだけで似てるって思われたのか……よっぽど俺の男性ホルモン仕事したな』
「何言ってんの!Aは可愛いよ自信もって!!」
今度僕のお洋服プレゼントしてあげるから!と謎の励ましを頂いた。
洋服のレパートリーが増えるのは素直に嬉しいが……じゃねえわ貰っちゃだめだよパンケーキも奢られてんのに。
「どっちかというと左馬刻の態度かなあ……」
『左馬刻さんの……態度』
脳裏をよぎったのは今日の左馬刻さん。
そう言えば、本日最初に違和感を覚えたのはコンビニだ。煙草が買えないって言った際に頭を撫でられた時。
その後、フードを被った俺の頭を撫でた時、トリックアート館で視線を感じてそっちを向けば左側からじっと見ている時、俺が「左馬刻さん」と名前を呼んで振り返った時、それから喫煙スペースで見つけた時。
いまつらつらと挙げたのは今日一日で「ん?」と思った瞬間だ。目を細めて、それから表情を戻す。若しくはフードの上から俺の頭を撫でる。
『左馬刻さん………俺を見てる筈なのになーんか違和感しかなかったんだよな』
「…………女の子相手にサイッテーだなあいつ」
『え゛』
なんか恐ろしく低い声が聞こえたけど……それも乱数から。
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マカロニ - 夢野さんとの絡みが凄く楽しみです。どのように知り合うのか…。これからも楽しみにしています。 (2019年5月6日 20時) (レス) id: 9866c7f19c (このIDを非表示/違反報告)
蛇58(プロフ) - 推しってONE PIECEでの推しとかだと思った〜マジびっくり (2019年4月8日 23時) (レス) id: 0dda0db49d (このIDを非表示/違反報告)
霊夢どうふ - バイオお好きなんですね……私も大好きです。母がガチ勢です。一章の泣けるぜとあうんから察してましたけどばいおおおお((作者さんと語りたいですアシュリーのぱんつとレオンの尊さとエイダ様の美しさについて。面白いです!!更新頑張ってください! (2019年3月24日 0時) (レス) id: bd41a59bf6 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - こ、これからもお体に気をつけて頑張ってください!( *`ω´) (2019年3月23日 22時) (レス) id: 15c63c8bdd (このIDを非表示/違反報告)
椿 - も、もう…しゅき、しゅきすぎる………!(語彙力の低下) (2019年3月23日 22時) (レス) id: 15c63c8bdd (このIDを非表示/違反報告)
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