160話 「冷まさないと火傷するぜ」 ページ16
俺の頭から手をどかした左馬刻さん。
一瞬だけ、スゥっと目を細めた気がした。おや?と思ったが俺が瞬きした後には常通りの表情だっため見間違いだろう。
「おうおう、奢ってやるから食いたいのあったら言えや」
『いや、でも流石に……自分の分は自分で出すんで』
「ん?……アレか」
『はい?』
歩きながらそんな会話をしていれば左馬刻さんがスッと露店に寄って行く。
お店の人と一言二言会話した後に何やら袋をもって戻ってきた。
「おら」
『……あ』
包みの中から顔を覗かせたのはパンダ。
いや、確かに喋ってる途中で「パンダまん」という文字を見つけて「おっ」とは思ったが、そんなガン見したつもりはない。ましてや買ってほしいというオーラを出した覚えはない。どうしてという疑問を視線で訴えれば鼻で笑われた。
「わかりやすいんだよバァカ。いいから食っとけ」
『……ありがと、ございます』
パンダを取り出してだいたい半分に割る。
見ていた横の左馬刻さんがなぜかブッ!と噴き出した。
『え!?』
「いや、容赦なさすぎだろ」
『えぇ……だって熱そうだったから冷まさなきゃって』
「ヤクザも引くわ」
笑いながらそんなこと言う現役ヤクザに「そーっすか」と返してぱくりと食べた。
特に気にせずに食べたが、パンダの右眼からいったのでそれでまた左馬刻さんが笑ってた。いや、これは事故だから。狙ってねえよ!
その後、何やら中華街を連れ回された。
トリックアート館?みたいなところもいったし、その下にあったチョコの店でホットチョコレートも買ってもらった。一口よこせと言われたから渡せば、甘すぎると文句を言われたのは理不尽な気がする。しかもちょっとどつかれた。いや、理不尽だ。
今は縁結びの神社に来ています。建物内に入る前でフレンドリーなおばちゃんに「フードは脱いでからね」と言われ、大人しくフードを取る。参拝の仕方もそのおばちゃんに教えてもらって二人そろって無事に終えた。
「よかったらお守りはどう?」
『縁結びですか?』
「そ、これなんかいいんじゃないかしら?」
ピンク色の巾着の形をしたお守りをオススメされる。
良縁祈願のお守りらしく、なんとなく……まあ、最近の俺の精神面的に買ってもいいかなって思った。
『じゃあ、ください』
財布をポケットから出そうとすればぐいっと頭を押された。
さっきまで黙ってみていた左馬刻さんが無言でお金を渡す。なにすんですか!と文句を言ったがそれは無視して外に出て行った。
161話 「スマートかつ流れるように」→←159話 「擬態」
274人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マカロニ - 夢野さんとの絡みが凄く楽しみです。どのように知り合うのか…。これからも楽しみにしています。 (2019年5月6日 20時) (レス) id: 9866c7f19c (このIDを非表示/違反報告)
蛇58(プロフ) - 推しってONE PIECEでの推しとかだと思った〜マジびっくり (2019年4月8日 23時) (レス) id: 0dda0db49d (このIDを非表示/違反報告)
霊夢どうふ - バイオお好きなんですね……私も大好きです。母がガチ勢です。一章の泣けるぜとあうんから察してましたけどばいおおおお((作者さんと語りたいですアシュリーのぱんつとレオンの尊さとエイダ様の美しさについて。面白いです!!更新頑張ってください! (2019年3月24日 0時) (レス) id: bd41a59bf6 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - こ、これからもお体に気をつけて頑張ってください!( *`ω´) (2019年3月23日 22時) (レス) id: 15c63c8bdd (このIDを非表示/違反報告)
椿 - も、もう…しゅき、しゅきすぎる………!(語彙力の低下) (2019年3月23日 22時) (レス) id: 15c63c8bdd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ