40話 「好い人」 ページ43
「Aちゃん」
『ん?』
「……今日はなんだかずぅっと嬉しそうだねえ」
『えッ!?……そ、そうか?』
昼から海にキヨばあと向かい、本日も上々の獲高でした。
意気揚々と銭湯で疲れを癒しているわけだが………急にそんなことを言われればお湯に顔面つっこっみそうになった。
「あ………もしかして、男かい?」
『あ、いやいやいや理鶯はそういうのじゃねえから!』
「理鶯?」
『あ………』
「ふーん、へぇ〜……理鶯ってぇいうのかい、Aちゃんの好いひとは」
『違うっつの!!そういうのじゃなくて!なんかこう、アレだよ!!』
必死に弁解する俺を笑いながらいじるキヨばあは本当にいい笑顔でした。
不毛な言い争い(?)は、最終的に俺がシャウトして終わった。
『違うって言ってるでしょうがあああああああああああああああああ!!!!』
うん……これは男湯まで響いたな。
本日の成果を持ってキャンプに戻ると、上半身裸の状態の理鶯さん。ああ違うわ、理鶯。呼び捨て慣れなさすぎる。ぐぬぬぬぬ。
で、理鶯は水浴びから戻ってきたばっかりだったらしい。基本キャンプには風呂なんてないので理鶯はもっぱら水浴びで済ましている。しかしこの人においが気になるとかそういうのは全くない。なんなら石鹸のいい匂いがする。
「おかえり」
『ただいま。いい身体してますねお兄さん』
「鍛えているからな」
さも当然と言うように答えた理鶯。さ、流石っす。
腹筋バッキバキだし、雄っぱいすごいし。こ、これは俺の欲求が顔を出しそうだ。
俺、昔っから筋肉好きなんです。変態とかいうな!!カッコいいじゃんけ!ドラゴン○ールとかの登場人物の筋肉めっさ好きだよ!!悪いか!!
『気持ち悪いの承知で言うけどさ、触らせて?』
「ん?別に構わないが」
ぺた、と腹筋に右手を失礼した。う、うわぁ……すげえ。
まじまじと見ながら腹筋やら背筋やら胸筋をペタペタと触っていれば、申し訳なさそうに理鶯が口を開いた。
「A、流石に恥ずかしい」
『あっ、す、すまん』
ちょっと照れている理鶯を見てその五倍くらい恥ずかしくなってしまった。アホか俺は。テントに引っ込んでいった彼を尻目に、魚を捌く準備を始める。
さて、今日の調達食材がまともだといいけど………もはやある程度なら常識を殺して美味しいと思えるようになってきた俺に死角はないと思う。
『………なんか』
凄くのんびりしてるなあ。
包丁片手に空を見上げれば、小鳥が一羽飛び去って行った。
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カルラ - ゴファッ!! なんだこれは、、、、、 めっちゃいい! (2019年5月22日 16時) (レス) id: 92a66c530f (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - たぬきなたぬたぬさん» ありがとう……ございます……(´;ω;`)これからもよろしくお願いします! (2019年3月2日 13時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
たぬきなたぬたぬ - ほんとに.....なにこれ......すき.......。 (2019年2月26日 21時) (レス) id: 83afc62697 (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - だまこさん» 理鶯推しがここにwありがとうございますw (2019年2月18日 18時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
だまこ(プロフ) - 理鶯が1番好きなんじゃあ (2019年2月18日 17時) (レス) id: 3c83364c40 (このIDを非表示/違反報告)
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