33話 「イリュージョニスト、俺」 ページ35
結局なにがどうなったんだろう。それが正直な感想だ。
ここ一週間弱で理鶯さんとそれなりに関係性を築いてきてはいたが……まあ、襲撃事件を経て距離が縮まったと言ってしまえばそれまでだが……距離(物理)なのが問題で。
横になり足も手も丸めて小さくなっているのを背後から抱きしめられている。いや、理鶯さんでかい。マジでデカい。俺、女にしては大きい方なんですけど。
「……小動物みたいだな」
『え……食えそうだなとか思ってないよね？食肉的な意味で』
「どうだかな」
『洒落に聞こえねーっつの』
べしっと右手で理鶯さんの頭を叩こうとすれば、理鶯さんの額にあたる前にパシッと手首を取られた。そのまま元の位置に戻される。で、漸く気づくが、俺怪我してたわ。
『痛みが無いから忘れて………忘れ？』
「どうした」
『いや、あれだけずっぷり刺さってたのに痛みないとか………』
上体を起こして左手で右手の甲をぺちぺちと叩いてみる。おかしい。絶対おかしい。
綺麗にまかれていた包帯を若干焦りながら解いていく。右手の中指にはめている指輪にひっかかってイラっとしたのでグイっとずらした。俺より先に上体を起こして手をのぞき込んできていた理鶯さんが声を上げる。
「は？」
『………んなアホな』
傷が塞がりかけている。相当グロテスクな絵面だが、これを見ているのは元海軍二人組なもんでそこにおえっとなったりはしない。そんなことよりもこの意味不明なイリュージョンの方が大問題である。
「よく見せてくれるか？」
引っかかっていた指輪ごと理鶯さんが包帯を取り去った。
瞬間、ボボッと青い炎を上げた俺の掌。びっくりしすぎて俺は無言でのけぞったし、理鶯さんも瞬時に距離を取った。今までと同じように炎が消えると同時に、俺の傷はきれいさっぱりなくなっていた。そう、今までと………ほんの一週間前の当たり前の光景が、今はこうも奇妙に見える。
しかしなんで急に……ちらりと目に入ったのは指輪。いや、待てよ。もしかしたらもしかするけど………。
『アクセサリー類が能力を妨げてんのか？』
そう言えば、本日銭湯に入る際にネックレスは外した。アンクレットとブレスレットは普段邪魔だし、このアクセサリー類のお守り的な何かを感じたことがなかったのでつけていなかった。指輪とネックレスは単純に気分で付け続けていたが……。だが今の状態で異次元を出そうとしても不可能だ。アクセサリー類が無くても全てが今まで通りとはいかないらしい。
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カルラ - ゴファッ！！ なんだこれは、、、、、 めっちゃいい！ (2019年5月22日 16時) (
レス) id: 92a66c530f (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - たぬきなたぬたぬさん» ありがとう……ございます……(´;ω;｀)これからもよろしくお願いします！ (2019年3月2日 13時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
たぬきなたぬたぬ - ほんとに.....なにこれ......すき.......。 (2019年2月26日 21時) (レス) id: 83afc62697 (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - だまこさん» 理鶯推しがここにｗありがとうございますｗ (2019年2月18日 18時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
だまこ(プロフ) - 理鶯が1番好きなんじゃあ (2019年2月18日 17時) (レス) id: 3c83364c40 (このIDを非表示/違反報告)
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