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4話 「舐めた記憶はございやせんが」 ページ6

さて、俺はというと安心していた。
なぜかと言えば、この世界に来て初めて男を見たからである。
だって、廊下ですれ違うのも女、窓から見えた外で歩いていたのも女。検査室入ってもぜーーんぶ女。いやね、俺が普通の女子だったらいいよ?でもほらアレだから、一人称が俺のなんちゃって女だから、パチモンのレディだから。

「さぁ、大人しく死んでもらうぜ」
「ぐっ……」
『無花果さん、あいつなんです?』
「収容していた男だ……どうやって逃げたかは知らんがな。ついでにどこで銃など見つけたのやら」
『なるほど』

血走った目で早くしろ!と叫ぶ男。検査室の数名も動けない……というか様子からするにこの無花果さんは相当なお偉いさんのはずだ。なのに護衛一人、銃持っている奴一人部下にいない。どうなってんだ。刀狩りならぬ武器狩りでもあんのか?豊臣秀吉再来か?秀吉様ああああああああああ!!!ってか?
まあ、それはいい。

「さっさとしろやぁ!」
『銀ッ!』

いきなり銃口をこちらに向けた男に相棒の名を呼べば、それより早く変身していた銀。しっかり木刀を握りしめ、発砲されて向かってくる弾丸を叩き切った。やれやれ、結局ここでもこんなアクロバット的アレをする羽目になるとは……。
カンカラランと軽い音が響いた瞬間、俺は地面を蹴った。呆気に取られている男から銃を叩き落とし、ついでに銃を無花果さんの方へ蹴り飛ばした。
そして男が怯んだ隙に人質の女性を掻っ攫い、無花果さんの横へ戻る。

「あ、ありがとうございます」
『はい、どうも』

呆然とする女性にニコリと微笑みながら返事をすると、クソ男に向き直った。
我に返ったのか、男は怒りで目をさらに血走らせ、瞳孔ガン開きの状態でこちらを見ている。おお、怖い怖い。

「テメェ……舐めたマネを」
『そっちこそ。銃なんか使ってんな』
「女のくせに舐めやがって!!」
『女のくせに?………ハッ、だからどうした』

勢いつけて殴りかかってくる男の拳を左掌と、その後ろに添えた右腕で防ぐ。木刀は宙にぶん投げた。くるくると落ちてくるそれを右手で引っ掴む。
女のくせに、弱いくせに、何もできないくせに………。

『んなもん知るかボゲェ!』

渾身の力で降りぬいた木刀は男の腹部にもろにあたり、そのまま男は壁にぶっ飛んでいった。木刀を再び放り投げればウサギの姿に戻る銀。俺はというと吐き捨てるように呟いた。

『性別なんてクソつまんねえもんに振り回されねえ為に強くなったんだこちとら』

5話 「捜索願を出すこともやぶさかではない」→←3話 「緊急事態は突然だから緊急っていうんです」



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カルラ - ゴファッ!! なんだこれは、、、、、 めっちゃいい! (2019年5月22日 16時) (レス) id: 92a66c530f (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - たぬきなたぬたぬさん» ありがとう……ございます……(´;ω;`)これからもよろしくお願いします! (2019年3月2日 13時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
たぬきなたぬたぬ - ほんとに.....なにこれ......すき.......。 (2019年2月26日 21時) (レス) id: 83afc62697 (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - だまこさん» 理鶯推しがここにwありがとうございますw (2019年2月18日 18時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
だまこ(プロフ) - 理鶯が1番好きなんじゃあ (2019年2月18日 17時) (レス) id: 3c83364c40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作戦隊長 | 作者ホームページ:tp://  
作成日時:2019年1月6日 21時

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