45話 「ご命令とあらば」 ページ48
入間銃兎と名乗ったスーツの男。黒縁メガネに赤い手袋、ピシッとした印象を受ける。しかしどことなく探られているような気がしてじり……っと理鶯さんに近づく。理鶯は頭にハテナを浮かべながらも頭をなでてきたが違うそうじゃない。
「お前もビビられてんじゃねえか」
「あなたよりマシですよ」
『理鶯さん……入間さんって警察関係者？』
「その通りだ」
さっき白髪の男がウサポリ公って言ってたのと探り癖みたいなのがあるからもしかしてと思ったがドンピシャだったらしい。俺も警察のお世話には何度もなっているから何となくわかる……独特の雰囲気があるよね。
「よくわかりましたね」
『あはは……よく世話になっていたもんで』
「逮捕歴ありですか？あまり感心しませんが」
『いや、俺が捕まったわけではないんですけど』
「ですよね」
ニコリと笑いかけられたけどやっぱり身構えてしまった。
特に幼いころの記憶として残っているお巡りさんはあまりいいものではないので。
申し訳ねえな、と思っていれば視線を感じた。白髪の男がすごく見ている。軽くホラーだ。俺が何をしたというのだろう。理鶯の服をつかみながら恐る恐る聞いてみる。
『な……なにか？えっと』
「……左馬刻だ。様をつけろよ」
名前が分からず理鶯に助けを求めようとすれば意外にもあちらから教えていただいた。様をつけろと言われてはつけない以外の選択肢はない。いかつい人は怖いのだ。耳にいっぱいピアスつけてるし、見るからにやべーし。
『さ、左馬刻様。なにか御用で』
「ぶっ！」
入間さんが噴出したので驚いて視線を移せば、背を向けてプルプル震えている。それを横目で見てる左馬刻様はなんかイライラしてるし、もう訳が分からない。理鶯を見上げても彼の頭上にもハテナがいっぱいだし。しかし何かを思い出したように口を開いた。内容まったく関係なかったけど。
「そういえば薪がなかったな……少し席を外す」
「いいですよ理鶯。私が行きましょう」
「……？では頼んだ」
『あっ、俺も手伝います！』
理鶯に意味深に笑みを向けた入間さんがすっと立ち上がった。何となく左馬刻様が睨んでいる空間から逃げたい一心で入間さんについていく宣言。入間さんは驚いていたようだったが、すぐに破顔して「一緒に行きましょうか」と言ってくれた。
「では左馬刻、暴れないでくださいね」
「あぁ？」
ビクッと肩を跳ねさせ入間さんのスーツを思わず掴むと小さく笑われた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 442人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カルラ - ゴファッ！！ なんだこれは、、、、、 めっちゃいい！ (2019年5月22日 16時) (
レス) id: 92a66c530f (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - たぬきなたぬたぬさん» ありがとう……ございます……(´;ω;｀)これからもよろしくお願いします！ (2019年3月2日 13時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
たぬきなたぬたぬ - ほんとに.....なにこれ......すき.......。 (2019年2月26日 21時) (レス) id: 83afc62697 (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - だまこさん» 理鶯推しがここにｗありがとうございますｗ (2019年2月18日 18時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
だまこ(プロフ) - 理鶯が1番好きなんじゃあ (2019年2月18日 17時) (レス) id: 3c83364c40 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
