切裂き王子の恋3 (ページ49)

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忠誠ページ49

ベルは宿の入り口で立ち止まる

ベル｢おい…なんでお前こんな所にいんだよ…｣

ベルは苦笑いしながら顔を強ばらせる

ベル｢ベスター…(苦笑)｣

ベスター｢Garururu…｣

ベル｢スク先輩なら、もうすぐ来るからさ。頼む…そこどけよ｣

ベスターは牙を向けて威嚇する

ベル｢げっ…マジじゃん。はぁ…ボスか｣

ベスターはベルからAを奪うと背中に乗せてXANXUSの部屋に向かう

ベル｢チッ…｣

XANXUS｢来たか…遅かったなベスター｣

ベスター｢garururu…｣

ベスターはAをXANXUSの布団の上に降ろすと心配そうに傷口を舐めようとする

XANXUS｢やめとけベスター。舐めると腹壊すぞ｣

ベスターは大人しくXANXUSの匣兵器に戻る

XANXUS｢まさか俺の銃弾を本気で受けるつもりだったとはな…｣

XANXUSはAに布団をかける

XANXUS｢お前、死んでもいいと…本気で…｣

XANXUSは浴衣の乱れを直しながらAを見る

XANXUS｢厄介な薬(もん)使いやがって…だが…狙いはコイツか｣

XANXUSは敵の気配を感じ瞬時にAに銃口を向け静止させた

半分はAを守る為だったが、ベルの言った通りAを試すつもりでもあった

不可解な力のあるAが、どんな顔をして、どんな行動をとるのか知りたかったのだ

XANXUS｢ただ死を選ぶとは…な。ドカスが｣

A｢XAN…XUS…様…｣

XANXUSは、Aの発した声に少し目を見開く

XANXUS｢寝言か…｣

スクアーロ｢う゛お゛い!!クソボス!!入るぞぉ!!｣

スクアーロが部屋に入ってくる

スクアーロ｢やっぱりAはここに居たのかぁ!!｣

XANXUS｢るせぇ…死にてぇのか…カスザメ｣

スクアーロ｢ルッスに傷の手当てさせるんだよクソボスがぁ!!｣

XANXUS｢必要ねぇ｣

スクアーロ｢髪や爪が伸びるのは仕方ねぇ…傷が残ると厄介だ。コイツは女だからなぁ!｣

XANXUS｢もう少し寝かせとけ｣

スクアーロ｢ボスさんよぉ…お前、Aに何を賭けた？お前に対する忠誠か？｣

XANXUS｢カスザメ…今回の敵は、この俺を無視してAを狙ってきた｣

スクアーロ｢う゛お゛い!!質問に答えろぉ!!｣

XANXUS｢俺が消したはずのジルが…俺の命よりAを欲しがってやがる｣

スクアーロ｢あ゛？｣

XANXUS｢ブハッ!!Aに忠誠なんか誓わせようなんて思っちゃいねぇ。コイツは自分の命を何とも思っちゃいねぇ。自ら死を選ぶようなカスだ｣

スクアーロ｢おい…｣

XANXUS｢だが…コイツには、俺の命より価値があるって事だ｣