切裂き王子の恋3 (ページ35)

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狂気の王子ページ35

ベル「ドクドクする〜!!…血ぃ…もっとぉ…!!」

獄寺｢危ねぇ…!!｣

獄寺はAに飛んできたナイフから庇った

ジル『あ゛っあ゛っあ゛〜怒りに周りも見えなくなったのかぁ!?』

獄寺｢うっ…｣

A｢ご、獄寺さん…!｣

Aはそんな獄寺の身体を支える

オルゲルト｢ぐあぁ…っ!!｣

オルゲルトが悲鳴をあげ…膝から崩れ落ちた

A｢ベル様…!!｣

Aの声に…ベルはピクリと反応する

そしてゆっくりと振り返れば…血に塗れたベルがゆっくりとAにナイフを構えた

ベル「あ゛はぁ゛…!!」

A｢そ、そんな…｣

獄寺｢ちっくしょう!!王族の血なんて滅びればいいんだ!!｣

獄寺はそう叫び、Aを抱きかかえると…走り出す

ベル「いいねぇ…オレ鬼ごっこだぁいすきぃだぜ」

ベルは遊ぶようにAと獄寺を追いかけた

A｢べ、ベル様は一体…｣

獄寺｢あいつは…自分の血を見ると、敵も味方も関係なく…無邪気な残虐さが表にでるんだ｣

獄寺はベルが距離を詰め始めたのに気が付き、もう後ろを振り返らず…ただひたすら走った

獄寺｢だがそれは過去の話だ…最近はだいぶ自我と記憶を保てるようになったと聞いた。
しかも、今回ベルは自分の血を見ていない!!ワケが分かんねぇ!!｣

A｢…｣

Aは獄寺が走っている道が…先程ジルから逃げていた時に通った道だと気がついた

A｢獄寺さん、もしかして…｣

獄寺｢あぁ!!悔しいが俺はもう戦えねぇ…!ジルを倒すには本領発揮してる切り裂き王子に任せるしかねぇんだ｣

本領発揮…とAは目を伏せた

そう…理性が無くなったベル…つまりあれが彼の本性であり実力ということ

獄寺｢とにかくアイツを引きつけて…ジルのところまで戻るぞ!!｣

Aは走る獄寺から離れる

獄寺｢な゛っ!!聞いてなかったのか!!今のアイツは敵も味方も区別ついてねぇんだぞ!!お前の事だって分かっちゃいねぇ!!｣

すぐに追いついたベルはナイフを構えるとA目がけてナイフを投げた

ジル『ベルの奴、血迷ったかぁ(笑)味方を殺るってのかぁ!!最高だぜぇ!!絶望しろぉお!!あ゛ぁ゛ーっあ゛っあ゛!!殺しちまえよ自分の大事な女をなぁ(笑)』

ベルの投げたナイフの何本かはAが素早く躱すが、残り1本はAの頬をかすり血が流れた

ベル「血だ…あ゛あ゛はぁ゛!!もっとぉ…ドクドク欲しいぃ!!」

Aの頬から流れる血を見てベルは更に狂ったように声を上げた