切裂き王子の恋3 (ページ26)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:60,914 hit

樹海ページ26

A｢やっぱり…おかしい｣
Aの目の前にあった細い道はついに無くなった

Aが振り返ると、なぜかさっきまであったはずの道が360度見渡しても見当たらない

A｢うそ…｣

Aはその場で少ししゃがみ込む

A｢これは…樹海!?…早く出ないと…｣

その時だった
Aの手を引っ張るフードを被った人

A｢ベル様!!｣

｢うししっ…一人で出て来てくれるなんて好都合｣

A｢ベル様？｣

｢ここは危険な場所だから…｣

Aの手を引っ張ると近くにある車に乗せた

A｢こんなところに車!?｣

｢ししっ…俺は王子だからね…本物の。こういう事も容易くできるのさ｣

A｢本物の…ですか？｣

Aを乗せた車が宙を浮いて走り出した

A｢車が浮いてる!?｣

｢しししっ…大切なもん…もらったぜ…｣

フードの横から見えるベルの顔を見てAは顔を顰めた

A｢あなた…ベル様じゃない…｣

｢あん？…ったりめぇだろ…あんな奴と一緒にすんなよ｣

A｢誰…なんですか!?降ろしてください!｣

｢それは無理…だってお前は…俺のオモチャだからな｣

A｢どういう意味ですか…｣

｢まぁ…そのうち分かるさ。それに安心しろ…大人しくしてれば殺しはしない。オルゲルト!!本物の王子の城に行くぞ｣

オルゲルト｢かしこまりました…ジル様｣

A｢ジル…様？｣

ジル｢ラストチャンスで甦らせてもらった命だ…今度こそVARIA潰して永遠の命を…ししっ…｣

A｢VARIAを潰す!?｣

ジル｢楽しいパーティの始まりだぜぇ!!｣

騒ぐAにジルはハンカチで口を塞ぐ

A｢ぐぅッ…(目の前が…霞む…)」

Aはガクンとジルの膝の上に倒れ込む

ジル｢あ゛〜あ゛っあ゛ぁ!!｣

Aはジルに連れ去られた

ベルは少し遅れて樹海にたどり着く

ベル｢Aー！！｣

スクアーロとフランもベルと合流する

スクアーロ｢あのバカ(怒)一人では出かけるなと言ったはずだぁ!!｣

フラン｢GPSが反応してませんね｣

ベル｢これ…Aの靴じゃね…｣

スクアーロ｢あぁ…間違いねぇ。これはボスがAに買った靴だ｣

フラン｢ここにいたのは確実ですねー｣

スクアーロ｢妙だな…｣

スクアーロは草むらの一部に車のタイヤ痕を見つける

フラン｢タイヤの痕ですね…ここにしかない…てことは空飛ぶ車？｣

スクアーロ｢チッ…嫌な予感はこれかぁ…｣

フラン｢コレは誘拐…ですね｣

ベル｢誰だよ…許さねぇ…マジで殺す(怒)｣