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第八訓 べちゃべちゃした団子なんてなぁ団子じゃねぇバカヤロー ページ25

「愛だァ?夢だァ?若い時分に必要なのはそんな甘っちょろいもんじゃねーよ。そう…カルシウムだ。カルシウムさえとっときゃ全てうまくいくんだよ。受験戦争親との確執気になるあの娘。とりあえずカルシウムとっときゃ全てうまく…。」
「いくわけねーだろ!!幾らカルシウムとってたってなァ車にはねられりゃ骨も折れるわ!!」
「俺もはねられたけどピンピンしてんじゃねーか。毎日コイツ飲んでるおかげだよ。」
「いちご牛乳しか飲めないくせにエラそーなんだよ!」
「んだコラァァ!コーヒー牛乳も飲めるぞ!!」
「やかましいーわ!!他の患者さんの迷惑なんだよ!!今まさにデットオアアライブをさまよう患者さんだっていんだよボケが!!」
「あ…スンマセン。」
『揃いも揃ってアホだなオイ。』
「うっせ。」
『にしても…。』
「オイオイエライのと相部屋だな。」
「えぇもう長くはないらしいですよ。僕が来てからずっとあの調子なんです。」
「そのわりには家族が誰も来てねーな。」
「あの歳までずっと独り者だったらしいですよ。相当な遊び人だったって噂です。」
「まっ人間死ぬ時ゃ独りさ。そろそろいくわ万事屋の仕事もあることだし。」


万事屋ァァァァァ!!
「ぎゃああああ!!」
「「『!!』」」
「今…万事屋って…言ったな…。それ何?なんでも…して…くれんの?」
まるでゾンビみたく歩いてくるおじいさん。
「いや…なんでもって言っても死者の蘇生は無理よ!!ちょっ…こっち来んな!!のわァァァ!!」
が、差し出されたのは一つの簪だった。
「?」
「コ…コレ。コイツの持ち主探してくれんか?」



「団子屋『かんざし』?そんなもん知らねーな。昔この辺にあったってきいたぜ。ダメだ俺ァ三日以上前のことは思い出せねェ。それよりよォ銀時お前たまったツケ払ってけよ。」
「その『かんざし』で奉公してた綾乃って娘を探してんだ。娘っつっても五十年も前の話だから今はバーサンだろーけどな。」
「ダメだ俺ァ四十以上の女には興味ねーから。それよりよォ銀時お前たまったツケ払ってけよ。」
またかと言わんばかりの表情をしたアキは銀時の代わりに金を払った。



「オーイさすがい無理だろコレ。五十年もたってんだ匂いなんか残ってるかよ。」
「わからないアルヨ。綾乃さんもしかして体臭キツかったのかもしれないアル。」

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作者名:アキ | 作成日時:2018年9月11日 0時

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