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15話 ページ17
小ヤギは数日前から続いていた雨のせいか
水位が上昇し、流れもずっと早くなっている川に今にも落ちそうだった
おそらくこれまた雨のせいで地盤が緩んみ崖崩れが起きてしまったのだろう
白竜「くそっ」
小ヤギは何とか狭い足場にいるが逃げ場がない
そのまま落ちてしまうのも時間の問題だ
白竜「っ！危ないｯ!」
とうとうその足場も崩れ川に真っ逆さまに落ちていく
そして俺もまた考えなしに飛び込んだ
川に流れているのは濁った水だけでなく、瓦礫や木の枝など様々なものが入っていて
水の勢いと共に俺の体に容赦なくぶつかってくる
必死に流されぬように争い
荒れ狂う濁流のなか小ヤギの体をなんとか掴んだが
白竜「クハッ！」
鈍い音と共に頭に強い衝撃がきた
岩が勢いよく流れてきて俺は避けることも出来ず
頭に強くぶつかり気を失ってしまったのだった
霞んでいく視界には茶色に濁った水ばかり、
激しい雨と川の音は自分の声すらも飲み込まれてしまいそうなほどだ
もしかしたら…いいやきっとここで死ぬかもしれない
そう思った瞬間
うっすらと知らないはずのあの少女の声が聞こえた気がした
『つかまって‼』
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作者名：KASUMI | 作成日時：2021年1月20日 17時
