10話 ページ12
帆田「最近よく森の方までいってるよな」
「森に何かあるのか？」
訓練の後更衣室でいきなり声をかけられた
あまり他人とは話す事はない自分だが
帆田は同じポジションであることと、
奴自身がこの訓練生の中では珍しいくらい誰に対してもフレンドリーに半端強引に話す性格から
此奴とはある程度の仲にはなっている
最近暇さえあれば森へ行く自分に奴は不思議に思っていたみたいだった
白竜「いや…、ただの気分転換だ」
帆田「へー、お前でもするんだな」
本当はある少女に会う為なのだが
俺はとっさに嘘をついた
別に隠すような事では無い事だが
帆田「お気に入りの場所でもあるのか」
「ひなたぼっこしてたりしてな！」
帆田は揶揄うように言った
白竜「……。花畑、、」ボソッ
帆田「へ？」
お気に入りの場所と言われて無意識に呟いてしまった
帆田「なんて？」
白竜「っ！…なんでもない。俺は部屋に戻る」
やらかしてしまったと思ったが幸い奴には聞き取れなかったようだ
奴と話した事で少女の事を今まで以上に思い出してしまって
会いたいと会ってもっと少女の事が知りたいという気持ちが強くなってしまった
少女に会ってからサッカー以外の事でここまで頭がいっぱいになる事は無かった
もう沢山だっ
このよくわからない感情は
この感情を知る為にも消し去りサッカーに集中する為にも
必ず少女を見つけてみせる
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作者名：KASUMI | 作成日時：2021年1月20日 17時
