死が2人を分つから (ページ4)

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2話ページ4

深い森の中
　
　
少年と少女が2人港の船からぞろぞろと降りてくる少年達を大きな木の上から眺めていた
　
　

「沢山お客さんがきたね」
　
　

　
『うんうんっ！ねぇ＿っ』
　
　
目をキラキラながら少女は少年に言いかけたが
　
　
　
「会いに行こう、なんて思ってないよね」
　
　
『だめ？』
　

　
「まだだめだよ」
　
　
　
『え～』

そう少年は片手を幹にそえて様子少年達を窺うが少女は少年にダメだと言われしょぼくれた様に枝の上に座り足をぶらぶらとさせた
　

　
　
「…まだどんな人達かわからないだろう？」
　
　

　
　
「いきなりあんなに大きな建物も造られたし」
　
　
「大人だっている」
　
　
　

　
　
少年の指摘に再び少女は視線を港の方へと戻した

　
『あのおじさん？…いや、まって、よく見たら桃色の服を着てるしなんとなく可愛いくない？』
　
　
　

　
紺色の髪をした少女は品定めをする様に
　
顎に手を当てて目を凝らす
　
　

「⁉…それはないよ」
　
　
少年は派手な服装をして顎髭の生えている中年の男を可愛いかもと言った少女の言葉に驚きすぐに否定した
　
　
『もぉ、わかったよ。可愛くても危険な人達かもしれないんでしょう』

　
少女は会いに行くのを諦めたようだ
　
　
「本当、女の子の可愛いはわからないなぁ、、」
　
　

　
　
『君も可愛いよ』

少女はニッコリしながら少年に言った
　
「ハハッ」
　
「でも以外だなもう少し君は粘るかと___、」
　
　

　
「！」
　
　
『…気づいた？…あの子達が持ってるのアレに似てるね』
　
　
　
　
「うん、もしそうなら…。」
　
　
　
少年の周りに黒い影が漂い、彼らを見る目に殺意がこもる
　
　
　
しかしそんな彼を気にする事なく

　
『私は別に会いにいかなくても良いんだ』

　
『見てるだけでも面白いし』
　

『他に可愛い子はいないみたいだけど久しぶりのお客さんなんだよ』

　
『だからもう少し見てみようよ』
　
　
『"シュウ"…ね？』
　
　
　
少女は少年の殺意の篭った横顔を見ても変わらない調子で少年、シュウに言った
　
　
　

　
「…わかったよ」
　
「本当に君は人が好きだね」
　

ピタリと黒い影も消え先程まで殺気を放っていたとは思えないほど少年は朗らかな笑顔で少女の言葉に賛成をした

　
　
「でも、勝手に彼らの前に姿を現しちゃだめだからね」

　
　
「"ミコト"」

　
　
　
「君は隠れるのか下手だし気をつけてね」
　
　
『うん』