家に帰りたい 5 届け。 (ページ30)

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アルトゥール「ちょっと強引すぎじゃありませんか！」
　
　
黙ってみていたアルトゥールだがとうとう2人の会話に口をだした
　
ルシアン「あ！やっと見つけた‼」
　
それと同時にブラジル代表の数名がようやく合流した
　
幹部「黙れ！無礼者がっ‼お前らみたいな底辺の人間が私に話しかけても良いと思っているのか⁉」
　
　
「我々を裏切り負けたくせに図々しい奴らめがっ⁉」
　
　
先程までニコニコとしていた男の雰囲気はまるで変わった
　
　
アルトゥール「なんだとっ‼」
　
幹部「お前らみたいな奴らが私に意見できるとでも思っているのか！」
　
その場は先程よりも荒々しい雰囲気になろうとしていたが
　
　
　
レイラ「"いい加減に…黙って下さい。"」
　
　

　
鶴の一声のようにその場に静寂がひろがる
　
　
アルトゥールには2度目となる感覚であり
　
　
静かに声が響く
　
レイラ「彼らはお兄様の直属の部下であり貴方に彼らを蔑める権利はない」
　
怒声などでも静かな怒りでもないその凛とした声はひしひしと緊張感を皆にあたえる
　
アルトゥール以外のブラジル代表と幹部の男はまるで息が出来なかったが
　
　
すぐにそのプレッシャーはなくなった
　
　
レイラ「それからお送りは結構です。それでは…」
　
　

そして誰も声をかけようとは思わなかったが
　
　
幹部の男はこの結果が気に食わなかったのか
　
　
少女に相手にされない事が気に食わなかったのか
　
　
もしくはその両方で顔を真っ赤にして叫ぶように訴えた
　
　
幹部「ハッ！もしやお嬢様、"昔の暮らし"から彼らに親近感なんて感じているのですか⁉」
　
レイラ「⁉」
　
アルトゥール「は？」
　
　
幹部「そうですよねぇ！だってお嬢様も保護されるまでずっと彼らと"同じ境遇"におられましたからね‼」
　
　
「そういえばそのスカーフの"もとの持ち主"も彼らと同じっ」
　
レイラ「っ黙って！」
　
　
　
レイラはいつもはほとんど見せない感情を、怒りをあらわにするが
　
　
男は吹っ切れたように続けた
　
　
幹部「"親に捨てられた"、または"底辺の人間"なんですから」
　
　
　